プレスリリース

7月18日(金)大阪市立科学館の展示場が リニューアルオープンします。 ー17日に報道機関向け内見会、18日に記念式典を行いますー

大阪市立科学館は平成20年7月18日(金)午後1時、展示場をリニューアルオープンします。これに先立ち、報道機関向けの内見会をオープン前日の7月17日(木)午後1時より、記念式典を18日(金)午前11時より行います。

大阪市立科学館展示リニューアルの概要

送電鉄塔

学天則

2トンの岩塩

エコーチューブ

くつをぬぐコーナーも

リニューアルのポイント

大人も楽しめる約1000点の実物資料を50の展示物として展示し、本物が持つ迫力をいかした展開を行いました。いままで人気の体験型の50の実験装置による展示とあわせた100展示で、多彩な科学との出会いを演出します。
想定利用年齢層を大幅に拡大し、小さな子どもと大人など世代別にコーナーをわけ、あらゆる年齢層が安全、快適に科学と過ごせる展示場としました。
展示の多くは、大阪市立科学館の学芸員が、調査研究、企画、制作をしたオリジナル品です。資料の収集もすべて独自に行いました。

リニューアルの規模

今回のリニューアルは9年ぶり、開館以来3回目の大規模なもので、新しい 展示は数年以上の長きにわたって公開を続けます。リニューアル面積は展示場の6割にあたる約2000㎡・約100の展示で、4階まである展示場のうち1、 2、3階を全面更新します。さらに科学館の入口周辺なども展示や科学実験ができるしかけを展開します。なお、リニューアルの総費用は5億円です。

特徴ある展示ならびにコーナー

  1. 東洋初のロボット「学天則」を復元して動態展示
  2. 日本最大規模の化学の展示フロアを新設。2トンの岩塩も登場
  3. 関西で唯一、送電鉄塔を展示場内に建設。まぢかに見られる
  4. 体験型展示を中心に、小学校低学年までの子どもが科学にであうコーナー
  5. サイエンスショーも充実
  6. 科学館の入口にも楽しいしかけ

特徴ある展示ならびにコーナー

(1)東洋初のロボット「学天則」を復元して動態展示

1928年前に大阪で作られたロボット「学天則(がくてんそく)」を、その動作の様子もふくめ復元をしました。これを入口の無料スペースに展示し、来館者を出迎えます。
学天則は、高さ3.2mのロボットで、大阪毎日新聞の論説委員で生物学者の西村真琴博士が製作したものです。
博覧会などに出展され、大変な人気を博しましたが、数年後に行方不明 になっています。学天則は天の法則を学ぶという意味で、人間の優れた部分、すなわち思考する様子を再現するように製作されています。そのために空気圧を 使ってなめらかに作動し、腕が動き、表情が変化します。復元は各種資料を科学館の学芸員が調査して、できうる限り当時のままを再現するようにしました。
荒俣宏原作の映画「帝都物語」(1988年公開)でも登場し、劇中で作動しています。しかし、その姿はデフォルメされたものであり、当時のままの復元は初めてのことです。
展示では、当時と同様に、一定時間ごとに、音楽とともに動作を行うデモンストレーションを行います。また、当時の機構がわかるように、動作原理をしめす装置もそばに展示します。さらに、関連してルービックキューブを解くロボットも展示します。

(2) 日本最大規模の化学の展示フロアを新設。2トンの岩塩も登場

展示場3階の約500㎡を化学の展示コーナーとします。コーナー名は「身近に化学」です。これほどの規模の化学をテーマにした常設展示は国内にはほかにありません。
展示では、様々な化学反応により生み出される物質や原材料を展示します。鉱物、宝石、結晶、金属、プラスチック、繊維、薬、においのコーナーとなっています。
主要な資料としては、鉱物標本として大型の水晶、天然の結晶形がよくあらわれている黄鉄鉱などを展示します。2トンもの重量の岩塩は、世界遺産のポーランドの岩塩鉱山で産出されたものです。
さらに、こうした鉱石を化学処理して作られる金属は、身近な6種(金・銀・銅・鉄・チタン・アルミ)について資料を展示します。たとえば、金はコインや大 判など通貨として、銀やチタンは食器として、鉄はレールや車輪などとして使われているものを展示します。特に新幹線の車輪は迫力があります。また、スクー ターをばらした展示では、スクーターで金属とプラスチックがどの部分にどのように使われているのかを実物を使った絵解きで示しています。

また、プラスチックのコーナーでは生物が合成するプラスチック類似 物質から、最新の機能性プラスチックまで、多彩なプラスチックとその製品を展示。繊維では、セーターなどの衣服類はもちろん、自転車のスポークや宇宙服、 最新の航空機の胴体に使われている繊維までを展示します。また、様々な繊維のちがいを実際にさわって体験するコーナーも設置します。
薬については、生薬の原料を多数展示。薬の町でもある大阪を象徴する様々な医薬品も紹介します。
さらに、においのコーナーでは、これまで試験的に展示して好評だった、においを体験できるコーナーを大幅に拡充しました。においの原理がわかる映像展示も行います。

(3) 関西で唯一、送電鉄塔を展示場内に建設。まぢかに見られる

33kVの送電鉄塔上部を展示場内に建 設しました。高さは5.6mと巨大。それでも全体の四分の一の上部のみです。実際に送電できる関西電力の規格で作ったもので、最終組み立ても関西電力の技 術職員が担当しました。このような送電鉄塔の本物を展示するのは珍しく、関西地方では今回が初めて、そして唯一です(※)。
また、同時に信号機や高速道路の電光掲示板、発電機のタービンなどの大型機器や、なつかしの生活家電など多数の実物が大集合。本や画像ではわからない、 意外な大きさや質感にびっくりします。このように本物の資料で生活を支えるエネルギーとその利用をまぢかに見られます。

また、発電コーナーでは人気がある人力発電コーナーも継続展示します。

※東京電力の電気の史料館(横浜市)、中部電力のでんきの科学館(名古屋市)など、ほかの地域では送電鉄塔を展示している例があります。

(4) 小学校低学年までの子どもが科学にであうフロア

2階は、小学校3年生までの児童とその 保護者を主な対象とする「おやこで科学」フロアです。これまで科学館で実績がある人気の5コーナー(ボールの運動、鏡、風、音、カプラ)で構成します。低 年齢層に対応するため、展示物の高さを低くし、さらに、くつを脱いで体験できるコーナーも設置。小さな子どもが安心して、心ゆくまで展示物を使い、科学に であう一日を過ごせます。 ボールマシン
「ボールの運動」は、自分でボールやいろいろなころがるものをレールや斜面にころがして実験ができるコーナーです。

自動的にボールが動き回る人気の「ボールマシン」もこのコーナーに移設。見て楽しむだけでなく、やって楽しみ、考え、学ぶことができます。
「鏡」も最も身近で不思議なものです。たくさんの鏡にうつる姿を見たり、鏡の道を通ったり、全身をつかった体験ができます。
「風」には、目玉として竜巻発生装置を展示。竜巻にさわれます。
「音」では、ドラを鳴らせるコーナーが登場。大きな音、小さな音、パイプを伝わる音など、しゃべった言葉がひびきわたるエコーチューブなどこれまた科学館のこれまでの展示実績をいかした展開をします。
「カプラ」は、たった一種類の小さな板「カプラ」を組み合わせて様々な形を創造するコーナーです。くつを脱ぎじっくりと取り組んでもらいます。
このように「おやこで科学フロア」は、科学の入門者である、小学校低学年の児童が保護者とともに楽しくじっくりと取り組めるように、テーマを選び、展示手法を工夫しました。

(5) サイエンスショーも充実

学芸員が科学実験をデモンストレーションするサイエンスショー。開館以来かわらぬ人気があるコーナーですが、このコーナーがはじめてリニューアルしました。1日3回~5回の実演を行っていきます。
リニューアルではいままでの蓄積がいかせるように、基本的なスタイルは変えていません。 重量物を吊るすフックとレール
ただ、客席スペースを広げ入場可能数を約100名と従来より2割ほど増やしま した。通路部分も広くとり、さらに周囲から音の出る展示物を除いて、より快適にショーが見られるようになりました。また、演示スペースの上部に重量物を吊 るすフックとレールを設置。ブランコなどの実験をより安全に、効率的に行えます。
なお、リニューアル後の最初のサイエンスショーのテーマは、次のようになっています。

サイエンスショー 夏のテーマ むらさきキャベツで大実験!

会期:平成20年7月18日(金)~8月31日(日)
むらさきキャベツからとりだした紫色の液に、身のまわりのいろいろなものを入れると、いろいろな色に変わります。この色から酸性アルカリ性を調べて、そのひみつを見つけましょう。夏休みの自由研究にもおすすめ!
開演時刻:毎日午前11時、午後1時、午後2時です。 (7月18日は午後2時のみ)
土日祝は午後3時、開館延長日はさらに午後4時の回が追加されます。

(6) 科学館の入口にも楽しいしかけ

科学館の入口付近にも楽しいしかけを用意しました。一見ただのスモークシートに見える窓の一部ですが、ある見方をすると絵が浮かびあがります。

閉館後や休館日でも館の外から見えるショーウィンドウ部分で科学を楽しめるよう、だまし絵など、ちょっとした展示を設置しました。


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