プレスリリース

大阪市立科学館 企画展「江戸時代の天文学」を開催します

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大阪市立科学館では、平成27年1月20日(火曜日)から3月1日(日曜日)まで、企画展「江戸時代の天文学」を開催します。
本企画展は、江戸時代の天文学がどのようなものであったかを、約35点の資料で紹介するものです。江戸時代に使われた星座の図や、太陽黒点や天王星の観測記録、江戸幕府が40年間を費やして翻訳をしたオランダの天文書の原書と翻訳原稿などの資料を通し、古代から続く伝統的な流れを受け継ぎながらも蘭学の影響により急速に近代化する天文学を概観します。

なお、本企画展は、大阪歴史博物館で開催されるテーマ展示「『はかる』の歴史」(平成27年1月28日(水曜日)から3月23日(月曜日)まで)(平成26年11月26日別途報道発表)、大阪市立中央図書館で開催される図書展示「江戸時代の天文学展」(平成26年12月19日(金曜日)から平成27年2月18日(水曜日)まで)(平成26年11月26日別途報道発表)との連携展示です。

開催概要

私たちを取り巻く宇宙を探求する天文学は、もっとも古くからある学問の一つといわれます。日本では6世紀頃から天文学がはじまりましたが、江戸時代に入ると、オランダから徐々に入り始めた近代的な天文学が浸透し、人々の宇宙に対する知識や考えも、急速に変化していきます。特に江戸時代後期には、大阪の地で優秀な天文学者を輩出し、最先端の研究が行われ、日本の天文学に大きな影響を与えました。そのような近世大阪の天文学を知る資料は、大阪歴史博物館をはじめ、大阪市立中央図書館、大阪市立科学館に受け継がれています。

本企画展では、大阪市内の施設が所蔵するコレクションを中心とした約35点の資料を通じて、江戸時代の人々はどのような星座を見ていたのか、天体の知識はどの程度持っていたのか、西洋天文学をどのように受け入れたのかなど、江戸時代の天文学の様子を紹介します。

1 名称 企画展「江戸時代の天文学」
2 会期 平成27年1月20日(火曜日)~3月1日(日曜日)
3 休館日 月曜日(ただし、休日の場合は翌平日)
4 開館時間 9時30分~17時
(展示場入場は16時30分まで)
5 会場

大阪市立科学館 展示場4階
〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-1

地下鉄四つ橋線 肥後橋駅(3号出口)から西へ約500メートル
京阪中之島線 渡辺橋駅(2号出口)から南西へ約400メートル

電話番号:06-6444-5656 ファックス:06-6444-5657
ホームページ:http://www.sci-museum.jp/

6 観覧料

通常の展示場観覧券のみでご覧いただけます

大人400円 高校・大学生300円 中学生以下無料
※障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)、市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)

7 主催 大阪市立科学館
8 協力 大阪歴史博物館、大阪市立中央図書館
9 展示点数 約35点

取材について

取材をご希望の場合は、事前に下記担当までご連絡ください。

(連絡先) 大阪市立科学館
電話番号:06-6444-5656  ファックス:06-6444-5657

企画展の特徴

1 地元大阪に伝わる資料を中心に展示を構成します

当館所蔵資料に加え、大阪歴史博物館、大阪市立中央図書館が所蔵する江戸期の天文学資料を中心にした展示構成とし、地元大阪に伝わる江戸期の天文学関連貴重書を概観することができます。

2 約270年前に描かれた、望遠鏡で見た金星、土星のスケッチを公開します

日本における望遠鏡による天体観測図の中で、現存するものとしては最も古いとされる、約270年前の金星と土星のスケッチ、太陽黒点のスケッチを公開します。

3 江戸幕府が40年をかけて翻訳した西洋天文書とその訳本を一挙公開します

江戸幕府の天文台が1803(享和3)年から約40年にわたって総力を挙げて行った、フランス人天文学者ラランドの著書『天文学』の翻訳事業について、洋書の原本2種(フランス語版、オランダ語版)をはじめ、幕府天文方が作成した3種類の翻訳本を一挙公開します。

4 大阪歴史博物館、大阪市立中央図書館と協力し、3館で連携展示を行います

本企画展に合わせて、大阪歴史博物館及び大阪市立中央図書館において、江戸時代の天文学の関連展示を行い、当館と合わせた市立施設3館で連携事業を行います。これにより、当該分野について市民により深く興味を持っていただく機会を設けるとともに、3館協力により相乗効果を高めます。

  • 大阪歴史博物館 テーマ展示「『はかる』の歴史」
    平成27年1月28日(水曜日)から3月23日(月曜日)まで
  • 大阪市立中央図書館 図書展示「江戸時代の天文学展」
    平成26年12月19日(金曜日)から平成27年2月18日(水曜日)まで

展示の概要

1 日本の天文学

日本の天文学が始まったのは6世紀頃のことで、研究の目的は、規則正しい生活リズムを決める「暦」を作ること、そして天体現象を見て国家の将来を占う「天文占」を行うことでした。現代とは全く違った江戸期の天文学の目的を概観します。

【主な展示資料】

江戸~明治期の暦、天文大成管窺輯要(てんもんたいせいかんきしゅうよう)ほか

江戸期の暦

2 江戸時代の星座

江戸時代の日本で使われていた星座は中国で作られた星座で、現在の私たちが使っているヨーロッパ起源の88星座とは全く異なる体系を持っています。

天帝を中心とした世界像が描かれているという江戸期の星座を紹介します。

【主な展示資料】

『天経或問註解』、『天文図』ほか

江戸期の星座図

3 江戸時代の天体観測

17世紀にガリレオが発明した望遠鏡は、江戸期の日本にも伝わり、18世紀中頃には太陽黒点や土星が観測されました。そして19世紀には天王星や彗星の観測も行われるようになり、日本人の天体知識が増えていった様子を概観します。

【主な展示資料】

『烏刺奴斯諸数並図』、『三際図説』、『平天儀図解』

最古の惑星スケッチ

4 西洋天文学の導入と暦作り

暦作りの研究は、長らく中国の学問をベースとしていましたが、江戸中期から徐々にオランダ書を通じて西洋天文学を導入するようになります。中でも、幕府天文方は1803年から約40年に渡ってフランス人天文学者ラランドの著書『天文学』の翻訳を行い、西洋天文学の全貌に触れました。本展では、それらの原本と翻訳稿本を中心に、研究の様子を概観します。

【主な展示資料】

ラランド『天文学』

ラランド『天文学』


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