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プレスリリース

2006年7月21日

科学館で「物理教育大塚賞」受賞展示を開発者が解説

大阪市立科学館では、2005年度の「物理教育大塚賞」受賞の展示装置について、平成18年8月8日(火)・9日(水)・10日(木)の3日間、それぞれ午後2時から、科学館展示場にて、展示開発者の斎藤吉彦学芸員みずから解説します。
磁石のテーブル
この受賞展示「磁石のテーブル」は、「鉄が磁石にひきつけられるのはなぜか?」「ものにはなぜ重さがあるのか?」といった身近でありながら考えると難し い現象を明快に説明できるもので、科学館のオリジナル。こうした展示は世界的にも珍しいもので2001年から展示しています。斎藤は物理教育学会誌にこの 展示についてまとめた「方位磁石集団による磁区展示と自発的対称性の破れ」という論文を2005年、「物理教育」誌53-2号に寄稿し、これが論文賞とし て受賞対象になりました。
なお、物理教育大塚賞を科学館等での展示が受賞するのは、初のことです。

展示解説について
日時: 平成18年(2006年)8月8日・9日・10日の各午後2時より30分間程度
場所: 大阪市立科学館展示場4F
解説: 斎藤吉彦学芸員(学芸課企画事業担当課長)
内容: 「磁石のテーブル」を使いながら、そこに現れる物理現象の不思議さをやさしく解説します。
参加: 自由、事前申込なし
料金: 通常の展示場観覧券が必要
大人:400円 高大生:300円 中学生以下:無料
参考
物理教育大塚賞
日本物理教育学会が、長年同会の会長を務めた、故・大塚明郎博士からの寄付を基に「物理教育大塚基金」を設立、その後有志の寄付もあわせ、会員の優れた 成果を顕彰するために1995年度(受賞は1996年)から設置した賞。論文賞と実践賞がある。 2006年度(受賞は2007年)分からは物理教育学会賞に名称が変更の予定。
授賞式は毎年、物理教育研究大会で行われ、今回の授与は8月5日午前11時より仙台市で行われます。また、受賞者の斎藤は授与会場にて記念講演を行う予定です。
物理教育大塚賞の過去の受賞者および内容は、次ページの通り。

物理教育大塚賞 過去の受賞者一覧
第一回(1995年度) 「陽電子の見える霧箱」森 雄兒
第二回(1996年度) 「半導体レーザーを使った加速時計」矢野 淳滋
「渦電流で磁石を浮上させる実験など一連の実践」佐々木 修一
第三回(1997年度) 「電声炎」鬼塚 史朗
第四回(1998年度) 受賞者なし
第五回(1999年度) 「炭酸ガス風船通信など一連の実践」山田 善春
「雨ドイを使った波動の導入実験など一連の実践」石崎 善治
第六回(2000年度) 「夢と楽しさのある演示実験の実践」工藤 貴正
第七回(2001年度) 「アルキメデス逸話の再実験」宝多 卓男
「物理授業におけるエネルギー環境教育の実践」綿引 隆文
第八回(2002年度) 「注射器とフラスコを使ったニューコメン蒸気機関の製作」川上 晃
「モアレ縞で遊ぼう」永田 敏男
第九回(2003年度) 「電子天秤を用いた誘電率および透磁率の測定」米田 隆恒
第十回(2004 年度) 「紙筒と空き缶を利用した高感度GM管の製作」三門 正吾
「学校・地域・メディアを巻き込んだ理科教育の実践」渡邉 儀輝
第十一回(2005年度) 「方位磁石集団による磁区展示と自発的対称性の破れ」斎藤 吉彦
日本物理教育学会
1952年発足。前身は日本物理学会・科学教育委員会。本部事務所は東京都文京区大塚3-29-1。会長は有山正孝博士。会員は約1500人。論文誌「物理教育」の発行、毎年の物理教育研究会の開催などを通じ、物理教育の発展のために活動している。

大阪市立科学館と展示
大阪市立科学館は、平成元年(1990年)に開館した理工系の博物館で、テーマは「宇宙とエネルギー」。日本初の科学館である、大阪市立電気科学館の後 継施設として、大阪市が関西電力株式会社から建物および設備の全面寄付(65億円分)をうけて設置しました。このうち展示は4階建て約3000㎡の展示場 に約200点の展示を公開しています。昨年度は33万人あまりの来場がありました。
展示は博物館らしい資料を展示したものと、科学実験を実際に行えるような参加体験型の装置を展示したものの2種類があります。一般論として、参加体験型の展示はその原理が世界中で共通のことから、他館展示の模倣品や展示業者からの購入品が多くなります。
しかし、大阪市立科学館では、いままで展示方法が開発されていないもの、科学の内容をより正確に理解してもらえるもの、実際の来館者の特性にあったも の、運用性が高いものを設置すべく、幣館オリジナルのものの開発にも力をいれてきました。こうした例は、欧米では米国のエクスプロラトリアムなど多くあげ られますが、国内では京都市立青少年科学センターほか数えるほどしかあげられません。
これまでの経験から、オリジナル展示装置の開発は、来館者のニーズにあったものを低いコストで作り上げることができ、開発経験が館に蓄積されていくとい う好循環を産み出すことが明らかになってきました。今回の受賞はこうした館の活動が外部から認められたものと考えています。

開発者、斎藤吉彦学芸員(企画事業担当課長)
昭和31年(1956年)、大阪府泉北郡忠岡町生まれ、50歳。理学博士。専門は素粒子物理学。大阪市立大学大学院にて理学博士を取得後、学校教員、企 業研究者を経て、平成3年(1991年)より大阪市立科学館学芸員。物理学を中心に産業科学もふくんだ資料研究や展示開発などに従事。科学実験ショーの考 案と実施、各種普及活動の実施、市民の学習サークルの主宰も行っている。本年度は湯川秀樹生誕100年を記念した市民研究サークルの主宰もはじめた。平成 11年に主任学芸員、平成18年に企画事業担当課長。ホームページhttp://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~saito/
3児の父親として、自分の子どもを実験台にしながら各種事業を考える。特技は空手。趣味は貸し菜園での野菜作り。