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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第130回「はやぶさ2」

2018年11月1日

今回のスタッフだよりは、プラネタリウム「がんばれ!はやぶさ2」の企画・制作を担当した飯山学芸員に「はやぶさ2」について話を聞きました。

はやぶさ2とは?

2014年に日本が打ち上げた小惑星探査機です。その名前の通り、初代「はやぶさ」の後を受け継ぐ探査機で、地球から小惑星へ向かい、小惑星の岩石を採取して地球へ持ち帰る計画です。 初代「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」を目的地にして、2010年に地球に帰還しました。「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」を目的地にしています。「はやぶさ2」は、今まさに、「リュウグウ」のそばで探査を行っており、今後「リュウグウ」に着陸して岩石を採取し、2020年の終わりごろに地球に帰還する計画です。





小惑星とは?

太陽系には、水星、金星、地球、火星、、、といった「惑星」の他に、惑星よりも小さな天体である「小惑星」がたくさんあります。 小惑星の多くは、火星と木星の軌道の間に分布しており、岩石でできているものがほとんどです。小惑星は、地球などの岩石惑星ができる材料となった岩が、大きな惑星にならないまま残った物と考えられ、また、ときおり地球に落下してくる隕石の元になる天体であると考えられています。小惑星を調べることは、地球がどのような材料から作られたのかを研究することでもあります。


小惑星リュウグウ

小惑星探査機「はやぶさ」が探査した、小惑星「イトカワ」の岩石は、隕石の中では比較的よく見かけるタイプの隕石である「普通コンドライト」という種類の岩石と一致しました。小惑星リュウグウの岩石は、はやぶさ2が無事に帰還すればはっきりと分かりますが、おそらく「炭素質コンドライト」という種類の隕石と近い岩石であろうと推定されています。「炭素質コンドライト」はその名の通り、岩石中に炭素を含んでいることがその特徴なのですが、水やアミノ酸といった、一見すると岩石中には含まれなさそうな成分を含んでいる変わった石でもあります。アミノ酸はタンパク質を分解したときに得られる物質で、生命の材料として重要な物質です。現在の地球に海があることから、地球が形成されたときには炭素質コンドライトのような岩石がある程度地球の材料に含まれていたと考えられています。小惑星リュウグウは、そのような地球の海のもととなった小天体の生き残りかもしれません。





はやぶさ2のリュウグウ探査

2018年6月にはやぶさ2はリュウグウに到着しました。間近で観察するリュウグウの姿は、意外な発見の多いものでした。全体にごつごつとした岩石で覆われていて、砂地のような場所が見あたりません。はやぶさ2は、「ミネルバ2」や「MASCOT」という小型の探査機をリュウグウの表面に着陸させましたが、やはり岩だらけの表面でした。 また、リュウグウのそろばんの珠のような形は、どうしてこのような形になったのでしょうか?そして、黒っぽい岩石でできていることは、炭素質コンドライトに近いであろうことと整合的ですが、近赤外分光計の探査では表面の岩石はほとんど水を含んでいないようです。これは、表面だけが太陽の熱や紫外線の影響で変質してしまったものなのか、それとももともと水をほとんど含まないタイプの岩石であったのか、どちらなのでしょうか。 当初今年10月下旬に1回目の着陸と表面の岩石採取を行う計画でしたが、表面は大きな岩だらけで安全に着陸できそうな平らな地形が見つからないため、着陸の予定を来年1月以降に延期して、現在、安全に着陸できる方法を検討中です。


今後のはやぶさ2の予定

来年、はやぶさ2は、3回の着陸を計画しています。また、「インパクター」という、リュウグウの表面を破壊して小さなクレーターを作る装置を搭載しているので、それを使って、リュウグウの表面を少し削ることを行います。3回目の着陸では、インパクターで作った人工クレーターを目指して着陸する計画なので、近赤外分光計で岩石が水を含まないように見えたのが、表面だけなのか、内部までなのかということについても、手がかりが得られると期待されます。 はやぶさ2は2019年の終わり頃までリュウグウの近くに滞在して探査を続け、その後地球を目指して飛行します。地球に帰還するのは2020年の終わり頃の計画です。


最後にひとこと

飯山青海学芸員

はやぶさ2の探査成果を、ぜひプラネタリウムドームでご覧ください。


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