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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第116回 プラネタリウム「秋の夜長に月見れば」

2017年8月29日

今回のスタッフだよりは、プラネタリウム「秋の夜長に月見れば」の企画・制作を担当した江越学芸員に話を聞きました。

秋はお月見の季節ですね。

天高く馬肥ゆる秋、とも言いますが、秋は空気も澄んでいて、月もきれいに見えます。秋の月は、古くから中秋の名月として親しまれています。ちなみに、今年の中秋の名月は10月4日です。お月見の時期としてはずいぶん遅いと感じるかもしれません。これは、昔の暦(いわゆる旧暦(天保暦))の8月15日のことを中秋と言うためです。今年は旧暦では5月の後に「うるう5月」というものが入るために、旧8月15日が来るのが遅くなったのです。



月と暦にはどのような関係があるのでしょうか?

三日月、半月、満月…月は毎日形が変わります。これを月の満ち欠けと呼んでいます。月の形は毎日少しずつ変化していき、ちょうど一か月すると元に戻ります。ですから昔の人は、カレンダーとして月を使っていました。

中秋の名月のことを十五夜ともいいますが、これはこの日が旧暦の15日にあたるためです。十五夜の2日前は十三夜(じゅうさんや)、次の日は十六夜(いざよい)ということもあります。いざよい、とは「ためらう」という意味です。十五夜に比べ、十六夜の月は、月が出てくる時間がやや遅くなります。それを月がためらっているように見立てたのです。
昔の人は、毎日の月に風情のある名前を付けています。十六夜の次の日の月は、立待(たちまち)の月と言います。立って待っているうちに、月が昇ってくるという意味です。その次の日は、居待(いまち)の月と言います。立って待つには長すぎて、座って待っていると出てくるという意味です。さらにその次の日は、寝待(ねまち)の月と言います。
実際、月の名前と月の出の時間を表にしてみますと、一日ごとにだんだん月の出が遅くなることが分かります。
 



月を詳しく見ると、どのように見えるのでしょうか?

月を望遠鏡でのぞいてみると、さらに面白い姿を見ることができます。丸いお椀のような形をしたでこぼこが、たくさん見えるのです。これは、クレーターと呼ばれており、隕石が衝突してできた穴です。
クレーターの見え方は、光の当たり具合によって変わり、同じクレーターでも、日によって見え方が違います。クレーターを見るのは半月ごろがお勧めで、日が当たっている部分と影の境目あたりを見ると、凸凹がはっきりしてより立体感が分かります。
クレーターには、有名な科学者の名前がつけられたものが多くあります。中には、いくつものクレーターが重なり合ったり、クレーターの中にクレーターがあったりと、月の不思議な地形は、見ていて飽きません。










月には黒い模様もありますが?

月の表面は凸凹している一方、黒い模様の部分は、平らになっています。
月の黒い模様を見ると、まるでうさぎが餅つきをしているように見えます。ヨーロッパの方では、はさみを振り上げたカニの姿であったり、女の人の横顔に見立てたりしています。
この黒い模様は、月の海、と呼んでいます。海と言っても、水があるわけではありません。昔、地下から溶岩が流れ出して、地表を埋めた跡がこのように黒い模様になっているのです。実際、海のように平らになっています。
実はこの模様は、三日月、半月などの月の形に関わらず、いつでも同じです。つまり、月はいつも地球に同じ面を向けているのです。そのため、月の裏側は地球からは見えません。月の裏側がどうなっているかは、探査機が飛んで行って写真を撮ることで初めて分かりました。
 



最後にひとこと

江越 航学芸員

月は、街明かりの明るい都会でも、よく見ることができます。
そして毎日、違った姿を見せてくれます。また、その不思議な地形は、見ていて飽きません。
月を眺めていると、いろいろな発見があると思います。ぜひ秋の夜長に、月をじっくり眺めてみましょう。

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