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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第38回 はやぶさ帰還カプセル展示を終えて

2010年10月21日

今回のスタッフだよりは、9月17日(金)~21日(火)の5日間 近鉄百貨店阿倍野店にて開催した「おかえり『はやぶさ』帰還カプセル特別公開」の総指揮を担当した、渡部学芸員に展示会について話を聞きました。

小惑星探査機「はやぶさ」カプセルの、宇宙を飛んだ実物を、大阪で展示しませんか?


そんな電話がJAXA(宇宙航空研究開発機構)からかかってきたのは、7月末のことでした。いわく、大阪のような人の集まりやすい大都市で公開したい。ただし、JAXAも予算がないので会場は借りられないし、貴重な資料なので受け入れ先にも専門家が必要だ。その点、大阪市立科学館はピッタリなので、どうでしょうか。と、こういう話でした。
6月13日(日)に、世界初の小惑星往復飛行を成功し、大歓声のもと地球に帰還した「はやぶさ」。翌日の全新聞が1面トップで報じた科学の成果を、話題がホットなうちに展示する。科学館の目的にもかなう、とてもいい話です。ただ、コトはそう簡単ではありません。

まず、1日1万人とも考えられる観覧者です。科学館は1日5千人が限界。通常の来館者が最大でそれくらいなので余地がありません。また、はやぶさは「超国宝級」の資料。輸送も警備も管理も大変です。会場も特設しなければいけないし、広報も間に合いません。急に言われても予算がないのはこちらも同じ。入場無料も条件とされ、これは無理だなと、みな考えました。

そこに、渡りに船が現れました。夏休みに「あべの科学博2010」というイベントを共催した近鉄百貨店阿倍野店が、はやぶさの展示をやりたいと声をかけてきたのです。会場提供と設営、警備、広報は近鉄百貨店阿倍野店が持つとの申し出でした。また、はやぶさを製作したNECも、以前から科学館とつながりがあり、協賛に入ってくれることになり、科学館も運営母体の科学振興協会にお願いして予算をたて、なんとか開催のメドがたったときには8月も終わろうとしていました。

5日間で、約34,000人もの方が本物のカプセルと対面


それから3週間・・・まあ苦労は省略・・・多くの方の協力のもと、9月17日(金)から公開が始まりました。結果5日間、34,000人もの方に本物との対面をしていただきました。

  「はやぶさ」帰還カプセル展示会場

展示は、いろいろと難しいものでした。セキュリティの問題もあり、やや遠目に見なければいけないし、拡大写真もNG。解説をつけると、観覧時間がかかるので、あらかじめ解説チラシを全員に配布しました。
 
 解説チラシの説明をする渡部学芸員     カプセルの前で解説
(注)会場内では撮影禁止でした。今回、掲載している写真は大阪市立科学館が記録用に撮影したものです。

また、カプセルの観覧だけでは「はやぶさ」のことがよくわからないので、全紙が一面を飾った新聞をならべ、多数出た書籍を展示、映像も用意。解説パネルも製作しました。それでも、説明不足なので、結果5日間、出ずっぱりで解説しました。見ているものの価値を分かってもらいたいからです。
 
全紙が一面を飾った新聞と書籍の展示 「HAYABUSA」の映像の前には常にたくさんの人が

それから、寄せ書きコーナーも好評で2m角のシート10枚が「はやぶさ」賛歌で埋まりました。また、和歌山大学もトークショーを開催してくれるなど、周囲の応援もあり、あちこちの展示をハシゴした「はやぶさ」マニアから、いままでの展示で一番よかったという声をいただいたとき、ホッとしました。
 
 和歌山大学のトークショーも満席   熱いメッセージがびっしりと書き込まれています。


展示が終了後、深夜までかかって慎重に撤収。翌日午後には神奈川県に移動し、JAXAで返却手続きを終えました。あちこちの支払いやら報告やらまだ仕事は8割というところですが、ようやく長い夏休みが終わった気分でいます。

大阪市立科学館の「はやぶさ」はまだ終わりません


常設展示には、はやぶさに使われた電池や、防熱フォイル、打ち上げたロケットの先端を覆っていたカバーの同等品。さらには、小惑星イトカワの模型や、イトカワと同質のいん石の実物なども展示しています。全天映像「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」とともにに、常設展示もぜひごらんになってください。
■企画展示の詳細はこちらのページをご覧ください。
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