スタッフだより

第75回 「都会の星」写真展

2014年2月2日

「都会の星」写真展は、天体写真家の東山正宣さんが撮影した写真を紹介する展覧会です。タイトルのとおり都会で星空を写した写真なのですが、都会というと街明かりのせいで星が見えないというイメージがあります。でも、そんなイメージを打ち破る写真たちが勢ぞろいしています。

どのような写真ですか?

今回展示している東山さんの作品は、どれも夜の街の風景と星空が一緒に写っているのが特徴です。例えば、これは「道頓堀・戎橋」という作品ですが、大阪随一の繁華街として有名な道頓堀の戎橋の風景を撮影しています。明るいネオンサインと一緒に、空には星がしっかりと写っています。
作品をよく見ると、星が点ではなく線として写っていますから、一見すると長時間シャッターを開けっぱなしにして、星の動きがわかるように撮影していると思いますが、都会の真ん中でカメラを空に向けて同じように撮影しても同じようには写りません。街明かりのせいで、星は見えなくなってしまいます。
この写真展で紹介している作品は、コンピュータによる比較明合成などの画像処理テクニックを駆使して、まぶしい街明かりと淡い光の星が一緒に見えるように仕上げているのです。東山さんは、このような画期的な天体写真作品を作る技術を開発した写真家で、この分野の第一人者です。

見どころは?

やはり、大阪や神戸、東京といった都会の風景と星空が絶妙のバランスを保ちながら一緒に写っている点がとても魅力的です。特に、科学館のある大阪で撮影された写真としては、先ほどの道頓堀以外にも、新世界や大阪駅、大阪城、愛珠幼稚園といった風景が収められた作品を展示しています。あと、神戸や明石海峡大橋で撮影された作品もありますので、私たちにおなじみの風景と星空を合わせてお楽しみください。


「大阪城」   撮影:東山正宜

最後にひとこと


嘉数学芸員

街明かりと星空を一緒に見るという、本来なら困難な事を、写真技術により見事に実現した作品たちは、幻想的でさえあります。星が好きな人はもちろん、多くの皆さまが楽しめる写真展ですので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。お待ちしております。

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