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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第92回プラネタリウム「ブラックホール」

2015年9月1日

 今回のスタッフだよりでは、9月1日から投影を始めたプラネタリウム「ブラックホール」について、担当の石坂学芸員に聞いてみました。

国際光年協賛企画とのことですが、ブラックホールと関係があるのですか?



 はい、とても深い関係があります。
 国際光年はアインシュタインが一般相対性理論を提唱してから100年目であることも記念していますが、一般相対性理論はブラックホールを表す方程式でもあるのです。
 一般相対性理論が提唱された100年前には「ブラックホール」ということばもありませんでしたし、ブラックホールは机上の空論で、実際の宇宙には存在しないだろうと考えられていました。 アインシュタインですら「無いだろう」と考えていたブラックホールですが、1970年代から観測されはじめ、今では100個以上、見つかっています。
 大きさも数10kmから数10億kmにもおよぶ巨大なものまで、いろいろで、宇宙には、それこそ"星の数ほど"ブラックホールがあるのです。
 私たちの天の川銀河にも直径が4000万kmという、とても大きなブラックホールがあると考えられています。

どうしてブラックホールがあるとわかるんですか?


 ブラックホールは「光すら吸い込む黒い穴」そんなイメージがあるかもしれませんが、ほんとうは宇宙でもっとも明るく輝いている場所なんです。
 もちろんブラックホールそのものは光を出しませんが、ブラックホールに落ちていく星や星雲が、ものすごく明るく光る渦を作るのです。 さらに、ブラックホールのまわりの渦は、目に見える光だけではなく、X線や電波といった特殊な光(電磁波)も出しますし、ジェットという超高速プラズマ流をふき出すものもあります。 こうした独特な性質をもった渦が発見されれば、その中心にブラックホールがあるとわかるんです(渦をつくる実験動画はこちら)。

ブラックホールそのものが見えているわけじゃないんですね・・・


 実は近い将来、もしかしたら、ブラックホール本体が見えるかもしれないんです!
 日本、アメリカ、ヨーロッパ等が国際協力して南アメリカのアタカマ砂漠(標高5000m)に大型電波望遠鏡群アルマを作りました。 このアルマと、世界中の観測機器を動員すれば、ブラックホールの影が見えるかも、と期待されています。
 ブラックホールが見つかった、といっても、これまではブラックホールのまわりの渦が見えただけでした。 ブラックホールが間違いなくそこにあることの直接の証拠であるブラックホールの影が、はたして観測されるのか、とてもワクワクしています。

新しいミニブックも出るんですよね?


 はい、今回、「ブラックホール」の投影にあたり、大阪市立科学館ミニブックシリーズ「ブラックホールの秘密」を刊行しました。 最新の話題も盛りこんでブラックホールを解説していますので、もしもプラネタリウムで寝てしまっても大丈夫。 この1冊があれば聞き逃したところを確認できます!

1冊100円、ミュージアムショップでの限定販売です。

最後にひとこと

石坂千春学芸員

ブラックホールは、まるでSFみたいな奇妙な世界です。 たとえば宇宙船でブラックホールに突入したとすると(二度と戻れませんからおすすめしませんが・・・)、宇宙船に乗っている人にとっては、あっという間にブラックホールの中です。 でも、それを外からながめていると、ぜんぜん違う光景になります。 宇宙船はじょじょにゆっくりになり、ついにはブラックホールの表面で止まってしまうように見えます(実際には光もだんだん出てこられなくなりますから、暗くなって見えなくなりますが・・・)。 外の人にとって、宇宙船は永遠にブラックホールの中に入ることはありません。 ブラックホールというのは、外にいる人にとっては、時間が止まっている星なのです。 秋の夜長、私たちとは全く時間の流れが違うブラックホールに思いをはせてみてはいかがでしょうか。 くわしい投影スケジュールはこちら 石坂学芸員のホームページ
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