「大阪市立科学館 見学ガイド」    (2022年3月発行)  ◆もくじ    1.はじめに   2.展示の紹介  (1)4階  (2)3階(概要)  (3)2階  (4)1階(概要)   3.ご利用案内  (注)本文中、アプリ「ポケット学芸員」の解説番号は3桁の数字で、(♯○○○)と表します。   1.はじめに  大阪市立科学館は「宇宙とそのエネルギー」を主題とし、「科学を楽しむ文化の振興」を使命として実験器具の展示やプラネタリウムの投影をおこなっています。わたしたちがすんでいるこの世界・宇宙が、どんな法則・原理の上で、どんな現象が起きているのか体験を通じて知っていただくことが目的です。  展示場は4階からスタートし、3階→2階→1階と降りていきます。  4階は「宇宙とその発見」  3階は「身近に化学」  2階は「おやこで科学」  1階は「電気とエネルギー」 がテーマです。  また、プラネタリウムは最新のドーム映像システムを備え、スタッフのライブ解説によって、星空のかなたへと皆様をご案内します。  この「見学ガイド」では触れる展示が比較的多くある4階を中心に紹介しています。  このガイドが来館のきっかけ、科学への興味をもつきっかけとなれば幸いです。   ●「見学ガイド」について  ◆見学ガイドには、大きい活字版以外にも、点字版、音声CD版があります。ご希望の方は、受付でお申し付け下さい。  ◆見学ガイドのデジタルデータは科学館ホームページからダウンロードできます。  ◆各展示の短い解説は「ポケット学芸員」というアプリでも提供しています。アプリ名はPocket Curatorです。館内では、Osaka Free WiFiをお使いいただけますので、アプリを起動したら「大阪市立科学館」を選択し、各展示に付けられた番号を参照して下さい。  ◆YouTubeには「学芸員の展示場ガイド」という動画も100件ほどあります。動画のある展示にはQRコードを付けています。  ◆展示品および解説パネルは、写真撮影をしていただけます。他のお客様が写り込まないよう配慮下さい。   2.展示の紹介  (1)4階  ◆太陽(♯101)  エレベーターを降りた所に直径3mの半球が壁に据えられています。実際の太陽の5億分の1の模型です。その右側の壁に、高さ1.5m、右縁から60cmの所に同じ縮尺の地球の模型(球)がありますので、大きさを比べてみて下さい。  惑星の模型は他に、地球の上に火星、下に金星、水星、太陽の左側の壁に下から木星、土星、天王星、海王星があります。  大きい方の惑星である木星、土星、天王星、海王星には環(わ)があります。環は、数cm〜数mほどの大きさの氷のかたまりからできています。この模型では本体の周りの円盤で、ざらざらしている所が環を表しています。  ※4階の順路は、この「太陽」に向かって左方向です。  ◆惑星の風景(♯102)  壁に埋めこむようにして右から金星、地球(大阪)、火星の立体 地形図が設置されています。地球と火星の間には、でこぼこを10倍に拡大した月球儀もあります。  金星の地表の気温は摂氏460度もあり、とても熱いです。そのため溶岩が広く積み重なった地形が特徴です。  火星は30億年ほど前には水があったと考えられています。地形には大洪水の跡があります。大気は地球の200分の1ほどと薄いので、風化があまり進まず尖った地形もあります。  地球は水(海)があり、平らな地形が特徴です。  ◆太陽から各惑星の距離  「惑星の風景」の左のパネルで太陽からの各惑星の間隔を示しています。1cmが約2100万kmに相当します。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。外側に行くほど惑星の間隔が広くなります。  ◆太陽系天体の大きさ比べ  「太陽から各惑星の距離」の左では地球よりも小さな惑星や衛星の大きさを比べられるように円盤が埋めこまれています(1cmが約500kmに相当します)。  ◆惑星重力比べ(♯104)  地球、月、火星、木星、太陽の重力の強さを比べられるように、同じ大きさのリンゴの模型が並んでいます。リンゴの模型を持ち上げて、重さの違いを感じてみましょう。太陽の重力は地球の28倍もあるので、ものを持ちあげるのは大変です。  ◆パラボラゴルフ(♯121)  パラボラアンテナのはたらきを確かめることができます。天板(てんばん)の20cm下にあるボールだまりからボールを拾い、天板の手前の溝に沿って転がすと、約40cm奥のパラボラ型の壁で跳ね返り、焦点に開けた穴から落ちます。  パラボラは平行にやってきた光や電波や音信号を焦点に集められる仕組です。  ◆だえん・デ・スー(♯182)  企画展コーナーを抜けた所に楕円型のテーブルがあります。ボタンを押すと、テーブルの天板から空気が噴き出し直径10cmのゴム円盤が摩擦なく動くようになります。空気抵抗のない真空の宇宙空間でも、動いている物体(天体)は、いつまでも動き続けます。  ◆力くらべ(♯306)  輪軸(りんじく)の仕組を確かめられます。大きさの違うハンドルが向かい合っています。2人で、それぞれハンドルを逆向きに回して、力比べをしてみましょう。大きいハンドルを使う方が楽に勝てるでしょう。  ◆さわってみよう(♯362)  木、金属、ゴムなど7種類の材質の板が埋め込まれています。熱を伝えやすいかどうかで、触った時の冷たさに違いを感じますが、実は全部同じ温度(室温)です。  ◆天然磁石(♯371)  磁鉄鉱という種類の鉄鉱石の中には、もともと磁石の力を帯びているものがあります。クリップを近づけて天然の磁石の力を感じてみて下さい。マグネットという言葉は、古代ギリシャの天然磁石の産地マグネシアに由来する、と言われています。  ◆磁石のイス(♯394)  2つの磁石の同じ極同士の反発力をクッションにした椅子です。世界最強級の磁石を使っていますので、大人が乗っても2つの磁石はくっつきません。  ◆強力電磁石(♯395)  スイッチを押すと天板の真ん中にある円柱が磁石に変わります。鉄片をのせて、くっつけてみて下さい。時間がたつと電気が切れて、鉄片は一気に崩れます。  ◆アーク放電(♯406)  天板の左側にある丸いスイッチを押し、左右のつまみで電極の間隔を狭くすると、1万5千ボルトもの電気が空中を飛びます。装置の上面は網になっていますので、手をかざしてみて下さい。温かく感じることでしょう。電気溶接はこのアーク放電と同じ原理です。   ●その他の主な展示  ◆サーモグラフィ(♯123)  赤外線を映像化する装置です。  ◆ケプラーモーション(♯181)  ブラックホールの周りの渦や、太陽の周りの惑星の動きを模しています。  ◆江戸時代の天文学(♯205)  江戸時代、大阪は最先端の科学都市でした。  ◆ミニ露場(ろじょう)(♯173)  雨量計や風向風速計を展示しています。  ◆遠心力(♯326)  水槽の水が放物線を描きます。  ◆ニギルト電池(♯399)  金属棒を握って電池にします。  ◆不思議な金属板(♯425)  アルミは磁石につきませんが、強い磁石の近くで動かすと…?  ◆原子体重計(♯448)  体は何個の原子でできている?  (2)3階概要  展示場3階のテーマは「身近に化学」です。鉱物、金属、プラスチック、繊維、薬品等の実物資料を展示しています。  また、渡り廊下の奥では3か月ごとにテーマを変えて実験を実演する「サイエンスショー」を実施しています。   ●主な展示  ◆金属とその利用(♯501) 金、銀、銅、アルミニウム、チタン、鉄、それぞれの主な製品を展示しています。  ◆鉱物いろいろ(♯502)  結晶の形がよく分かる岩石標本を展示しています。  ◆天然プラスチック(♯538)  虫が作るプラスチックである「シェラック」や、漆製品、象牙等を展示しています。  ◆スーパーセンイ(♯555)  宇宙服を展示しています。  ◆生薬ウォール(♯571)  自然の薬を壁展示しています。  ◆自然が作るにおい(♯581)  さまざまな香料の展示です。  (3)2階  ◆うずまき  直径60cmほどの漏斗(ろうと)にピンポン玉を転がすと、落ちるにしたがってスピードアップします。そして細くなっている漏斗の首の部分ではボールはぐるぐる回って、なかなか落ちません。太陽の周りを回る惑星も、太陽に近いほど速く回っています。展示場4階にも「ケプラーモーション」(♯181)という似た実験装置があります。  ◆ころころおもちゃ(♯710)  ビー玉を転がすおもちゃが4種類、設置してあります。階段状になっている鉄琴では、ビー玉を転がすと「かえるのうた」が聞こえてきます。  ◆ボールをうかそう(♯754)  天板の5か所から空気が噴き出しています。吹き出し口の上にボールをもっていくと、ボールはいつまでも吹き出し口の上で、ゆらゆら上下しています。風には物を引き寄せる力があります。これを「ベルヌーイの定理」といいます。  ◆たつまきさわろう(♯751)  スイッチを押すと、白い湯気がわき上がってきて、やがて竜巻を形づくります。本物の竜巻は大変危険なので触ることはできませんが、この竜巻はミニチュアなので触ることができます。  ◆ドレミのパイプ(♯776)  右から左へ、だんだん長くなるパイプがならんでいます。床から50cmの高さにあるパイプの口をバチでたたくと、右端の短いパイプからは高い「ド」の音が鳴り、左の長いパイプに進むにつれて、「ドシラソファミレド」と音が低くなります。音の高さは、波長によって変わり、波長はパイプの長さで決まります。1オクターブ高い「ド」のパイプの長さは低い「ド」のパイプの半分の長さです。  ◆こえがひびくかな(♯778)  長さ15m、太さ50cmの円筒(金属製のパイプ)が天井の方に伸びています。筒の口の所で手をたたくと、キュンキュンと音が響いてエコーが聞こえます。   ●その他の展示  ◆ボールマシン(♯701)  ボールが転がるミニ・ジェットコースターです。  ◆なんにんみえる?(♯727)  合わせ鏡にするとモノがたくさん映ります。  ◆かぜのいたずら(♯755)  風が紙風船を吸い上げます。  ◆とうめいピアノ(♯772)  アップライトピアノの中の仕組がわかるように正面がアクリル板で覆われています。  ◆どらドラ!?(♯777)  直径90cmの青銅製のゴングを展示しています。  ◆じしゃく・デ・くっつく?  いろいろな形をしたマグネットシートをホワイトボードにつけて遊びます。  (4)1階概要  展示場1階のテーマは「電気とエネルギー」です。発電の仕組、人力発電コーナー、送電の仕組、懐かしい家電を展示するコーナーがあります。   ●おもな展示  ◆サイクリング発電(♯802)  ペダルをこいで発電します。  ◆水力発電(♯821)  ハンドルを回して、くみ上げた水で発電します。  ◆核分裂連鎖反応(♯830)  連鎖反応が起きて、ピンポン玉がポンポン跳ねます。  ◆コンセントからの旅(♯841)  コードを引っ張ると発電所までつながっています。  ◆街中の電気(♯862)  実物の信号機の展示です。   3.ご利用案内  (開館時間、休館日、観覧料、交通アクセス、館内設備、バリアフリー情報)   ●開館時間  午前9:30〜午後5:00(展示場入場は午後4:30まで)   ●休館日  ◆月曜日(休日の場合はその次の平日)  ◆年末年始(12月28日〜1月4日)  ◆その他、メンテナンスのための休館あり   ●観覧料  ◆展示場  大人400円、高大生300円、中学生以下は無料  ◆プラネタリウム  大人600円、高大生450円、中学生以下300円  ◆障害者手帳等をお持ちの方(介助者1名含む、要証明)  1日1回に限り無料  ◆団体でのご利用  30名以上の団体のご利用は、2割引になります。団体予約受付専用電話(06−6445−5489)まで、ご連絡をお願いします。   ●交通アクセス  ◆最寄り駅  「肥後橋」(大阪メトロ四つ橋線)か「渡辺橋」(京阪中之島線)です。  ◆肥後橋駅からの経路  3番出口を出て、そのまま土佐堀通りを西へ400mほど直進。  途中、ガソリンスタンド前の交差点を一つ渡り、次の「土佐堀1東」交差点を北に曲がります。  50mほどのゆるい上り坂を経て、筑前橋を渡ると、「筑前橋北詰」交差点の北西側に科学館があります。  ◆渡辺橋駅からの経路  渡辺橋駅地下連絡通路→中之島ダイビル→ダイビル本館→関西電力本社ビルを通って、雨に当たらずに「市立科学館前」交差点の北東角に着きます。 「市立科学館前」交差点の南西角に国立国際美術館があり、そのさらに西側50mに科学館があります。  ◆駐車場のご案内  当館西側に予約バス専用駐車場があります(1時間1千円)。  ご利用になる際は、事前に団体予約専用番号(06−6445−5489)までご連絡下さい。  一般車両につきましては、提携駐車場がありませんので、近隣のコインパーキングか、大阪中之島美術館駐車場をご利用下さい。   ●館内設備・施設  ◆インフォメーション  正面玄関に入って右側8mほどの所にインフォメーションがあり、案内スタッフが常駐しています。  ◆チケットカウンター  地下1階にあります。正面玄関からは階段やエレベーターを利用下さい。エレベーターの場所へは案内スタッフが誘導します。展示場入口、プラネタリウムの入口も地下1階です。  ◆コインロッカー  地下1階にあります。100円硬貨が必要ですが、利用後に返却されます。  ◆ミュージアムショップ  1階にあります。科学グッズや実験キット、オリジナル書籍、記念コイン等を販売しています。   ●バリアフリー情報  ◆盲導犬  いっしょにご入館下さい。  ◆ベビーカー、車いす  どうぞご利用下さい。貸出もおこなっています。  ◆トイレ  地下1階アトリウムおよびプラネタリウム入口のトイレは、男性用、女性用ともにおむつ替え用のベビーシート、ベビーホルダーを備えています。  また、地下1階アトリウムにはオストメイト、移動式ベッド対応可能な多機能トイレがあります。  ◆授乳室、救護室  地下1階にあります。お使いになる際は、スタッフにお声がけ下さい。   ●この見学ガイドは令和3年度「地域と共働した博物館創造活動支援事業」(文化庁)の助成金により作成しました。   大阪市立科学館  〒530−0005  大阪市北区中之島4−2−1  電話 06−6444−5656  公式ホームページ https://www.sci-museum.jp/  (終わり)