1. TOP
    2. プレスリリース
    3. 大阪市立科学館、ドイツ博物館との連携を強化~企画展の実施に向けて、学芸員をドイツに長期派遣~

プレスリリース

2017年6月16日

大阪市立科学館、ドイツ博物館との連携を強化~企画展の実施に向けて、学芸員をドイツに長期派遣~



 大阪市立科学館は、ドイツ博物館(Deutsches Museum:ドイツ連邦共和国バイエルン州ミュンヘン市)※1と同館資料を使った将来の企画展の実施に関する合意※2をしています。これに基づき6月26日より学芸員を派遣、ドイツ博物館に1ヶ月にわたり滞在させ、科学・技術的な玩具を中心に同館資料を調査します。

 大阪市立科学館は、世界最大級の科学博物館であるドイツ博物館と、交流を深めています。その一端として昨年(平成28[2016]年)10月に館長を団長とした訪問団※3を現地に派遣し、大阪市立科学館の教育普及活動であるサイエンスショーの実施方法について紹介しています。そして、その際にドイツ博物館ヘッケル館長と、ドイツ博物館の資料を借り受けて、大阪市立科学館で企画展を将来実施することを合意しました。この合意に基づき、平成29(2017)年6月26日より7月21日まで、石坂千春主任学芸員※4をドイツに派遣。ドイツ博物館の学芸員の協力の下で同館のからくり人形など科学・技術的な玩具に関する豊富な所蔵資料を調査し、企画展の実施にむけて作業をすすめてまいります。

 

 なお、日本の公立の科学館で海外施設と連携し、自ら学芸員を派遣して企画展のための長期の事前調査をする例はめずらしく、先進的な事例となります。また、このような事業をきっかけに、博物館同士が自ら国際交流を進め、ノウハウを交換することで、これまでの枠組みを越えた事業展開をめざしてまいります。


参考資料

1 ドイツ博物館(Deutsches Museum)
 ドイツ博物館は、1903年に設立された世界最大級の科学博物館です。ドイツ連邦共和国バイエルン州ミュンヘン市を本拠地とし、3つの分館と単科大学を運営しています。
 本館の展示場は2万5000㎡、分館もあわせると4万7000㎡にもなり、大阪市立科学館の3000㎡の15倍です。年間予算は4千万ユーロ(約50億円)。従業員は500人を越えます。いずれも大阪市立科学館の10倍の規模です。利用者は年間140万人で大阪市立科学館の2倍です。
 同館は、科学・産業系の10万点以上といわれる膨大な資料を持ち、その展示で有名です。
 展示資料には「マグデブルグの半球(真空の力を示すための著名な公開実験装置)」の実物やドイツが開発してきた自動車、飛行機、機関車、深海潜水艇などの乗り物、カメラなどの精密機器など科学・技術史上、金字塔となる多数の資料がふくまれます。
 さらにドイツ博物館は、展示の一環として、1926年世界で初めて近代的なプラネタリウムを導入した施設でもあります。
  一方、大阪市立科学館の前身である大阪市立電気科学館は昭和12(1937)年に開館した日本初のプラネタリウム館ですが、開館当初にドイツ博物館との交流がありました。今回は歴史的な交流を、復活させることにもなりました。
 なお、ドイツ博物館では、サイエンスショーのような演示や、ワークショップなどスタッフが来館者に直接働きかけるようなプログラムは近年始めたところです。この点は大阪市立科学館の実践が先進的です。




2 同館資料を使った将来の企画展の実施に関する合意
 大阪市立科学館はドイツ博物館と、同館資料を借り受けて、大阪市立科学館で将来企画展を実施することについて合意をしています。これは※3で示す、大阪市立科学館の齋藤館長と、ドイツ博物館のヘッケル館長との間でなされたものです。
 これを書面の形(Intention to cooperate on collection loan)で示されています。具体的な対応者として、ドイツ博物館の展示部長のウルリッヒ・ケルンバッハ博士(Dr. Ulrich Kernbach)と大阪市立科学館の館長の齋藤吉彦博士(Dr. Yoshihiko Saito)との間でとりかわされています。合意書面内容の抄訳は次の通りです。

 大阪市立科学館の将来の企画展の計画について、我々の博物館(ドイツ博物館)の協力についてご説明します。

 (中略)ドイツ博物館の歴史、組織、規模等の紹介。

 ドイツ博物館は、50以上の科学・技術部門に渡って資料のコレクションを所蔵しています。
この多様な資料のなかで、我々(ドイツ博物館と大阪市立科学館)はドイツ博物館の科学・技術的な玩具(technical toys)のコレクションを大阪市立科学館の企画展むけに貸し出すのがよいという合意に達しました。この共同企画を進めるにあたり、我々は2017年の6月~7月にかけて、大阪市立科学館の学芸員を資料の調査のために迎え入れます。資料の有無や状態など詳細を、実物を見ながら検討し、どのように将来の企画展を実現するか議論するためです。















3 館長を団長とする訪問団の活動
 大阪市立科学館は、平成28(2016)年10月14日~17日まで、齋藤吉彦館長を団長とする3名の訪問団をドイツ博物館に派遣。現地では、ドイツ博物館のイベントにあわせてサイエンスショーを齋藤館長と吉岡科学館親善大使が実演し、好評を博しました。この実演は、単に来場者へのサービスというだけではなく、大阪市立科学館のサイエンスショーの技術や考え方を実地で伝えるという意味がありました。またドイツ博物館を精緻に見学したほか、展示されていない莫大な資料について現地学芸員から説明を受け、資料データベースなどの実態について視察しています。
 これらの活動とあわせ、ドイツ博物館のヘッケル館長と懇談し、両館の今後の協力についての交渉を行いました。その結果として、互いに学びあい、活用しあうことによる利益が大として、まずは、大阪市立科学館で科学・技術的な玩具の企画展を開催するための資料調査で、大阪市立科学館の学芸員が長期滞在研究をする方針で合意し、活動をしていくこととなりました。




4 石坂千春主任学芸員
 今回派遣する石坂千春主任学芸員は平成9(1997)年に大阪市立科学館に奉職し、天文学担当の学芸員として宇宙関連の展示やプラネタリウムの演示や企画に従事してきました。
 また、玩具を活用した展示コーナー「おやこで科学」なども担当しています。学術博士(理学)でもあります。国内でも著名で、天文教育普及研究会の前副会長をつとめました。また、海外の研修にも複数回参加し、一昨年はフランスに研究のために訪問するなど、海外経験も豊富です。