プレスリリース
大阪市立科学館 25周年記念事業プラネタリウム2番組の投影と企画展を実施します
大阪市立科学館では、平成26年9月2日(火曜日)から11月30日(日曜日)まで、開館25周年記念事業として、プラネタリウム2番組の投影と企画展を実施します。
プラネタリウムは、太陽系外への近未来の宇宙人探査をSFドラマで紹介する「宇宙人をさがす冴えたやり方―沈黙のフライバイ―」と小惑星とは何か「はやぶさ2」がどのように小惑星を探査するのかを紹介する「はやぶさ2、小惑星へ!」の2番組の投影を実施します。あわせて、池下章裕氏の精密イラスト及び「はやぶさ2」の原寸大模型等と実物の隕石資料を展示する企画展「はやぶさ2」を同時実施します。
また、記念事業に先駆けて平成26年8月26日(火曜日)17時30分より、プラネタリウム「宇宙人をさがす冴えたやり方 ―沈黙のフライバイ―」の報道関係者向け完成試写会を開催します。
実施概要
1 名称 | 大阪市立科学館 25周年記念事業 |
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2 会期 | 平成26年9月2日(火曜日)~11月30日(日曜日) |
3 休館日 | 月曜日(ただし、休日の場合は翌平日) |
4 開館時間 | 9時30分~17時 (プラネタリウム最終投影は16時から、展示場入場は16時30分まで) |
5 会場 |
大阪市立科学館 〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-1 地下鉄四つ橋線 肥後橋駅(3号出口)から西へ約500メートル 電話番号:06-6444-5656 ファックス:06-6444-5657 |
6 観覧料 |
プラネタリウムホール 展示場 ※障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名を含む)、市内在住の65歳以上の方は無料(要証明) |
7 主催 | 大阪市立科学館 |
プラネタリウム「宇宙人をさがす冴えたやり方 ―沈黙のフライバイ―」
<概要>
星座をつくる無数の恒星。それは彼方にある「別の太陽」です。そのまわりには宇宙人が住む惑星があるかもしれません。しかし、宇宙船が到達するには6万年以上かかります。それをワープもタイムマシンも使わず、30年で到達して写真を地球に送るにはどうすればいいのでしょうか? 実際におこるかも知れない、近未来の宇宙人探査をSFドラマで紹介します。
<ポイント>
- オリジナル制作したプラネタリウム番組です。
- 人気SF作家・野尻抱介氏の小説を原作とした、初のプラネタリウム番組です。
- 全天CG(コンピュータ・グラフィックス)動画と俳優が演ずる実写ドラマを融合した新しいスタイルの番組です。
- 宇宙人探査の方法は、実際に日本の研究者が考案したものを紹介します。
- 報道関係者向けの完成試写会を開催します。
プラネタリウム「宇宙人をさがす冴えたやり方 ―沈黙のフライバイ―」
原作小説「沈黙のフライバイ」
解説
原作小説「沈黙のフライバイ」(ハヤカワ文庫)は、1998年に発表された短編SF小説です。小説では、研究者・野嶋によって、不可能に思えた太陽系外の恒星への宇宙人探査が、現代の技術で可能であることが示され、物語は、宇宙人とのファースト・コンタクトへと展開していきます。「すぐそこにあるかもしれない未来」を描いた作品です。
本作は、日本のSFファンが、その年の一番の作品であると評価した「星雲賞」を受賞しています。今回はこの人気SF小説を初めてプラネタリウム番組としたものです。
原作者
野尻 抱介(のじり ほうすけ)氏
1961年生まれのSF作家。産業系のプログラマーやゲームデザイナーを経て、1992年「ヴェイスの盲点」で作家デビュー。代表作に「太陽の簒奪者」「ふわふわの泉」「南極点のピアピア動画」などがあります。星雲賞を8回受賞しています。
現在、日本で最も人気のあるSF作家です。
初の実写ドラマ
本作品は、大阪市立科学館のプラネタリウム番組としては、初めて実写ドラマを取入れました。制作は大阪の放送業界で活躍するスタッフに依頼し、リアリティを出すために、実際に人工衛星を打ち上げている、大阪府立大学工学部にてロケを行いました。
また、全天CG(コンピュータ・グラフィックス)動画も、大阪市内で作成されています。
制作風景
制作スタッフ
監督:松本 剛樹
シナリオ:さいとう わに
キャスト:御竹 龍雪 (野嶋 孝司 役)、濵口 奈菜 (瑞樹 弥生 役)
ドラマ制作:BUDDY株式会社
CG制作:有限会社イメージファクトリー
制作:コニカミノルタプラネタリウム株式会社
ドラマ撮影:株式会社MABU
音響制作:株式会社テレコープ
メイクスタイリスト:近藤 綾香
キャスティング:株式会社Eフラットプロモーション
宇宙人探査の方法
宇宙人探査は、JAXAに所属する研究者・野田篤司氏が考案した恒星間宇宙船を利用した方法を紹介します。「サーモンエッグ」といわれる、多数の小型宇宙船を使った方法です。今日まで実際の計画に上がったことはありませんが、現代の科学技術の延長線上で、実現可能とされています。今回は、野田氏にシナリオの一部を検討していただき、演出に反映しました。
報道関係者向け完成試写会
平成26年8月26日(火曜日)17時30分より、報道関係者向けの試写会を行います。
参加ご希望の報道関係者の方は、試写会参加申し込みフォームにて、平成26年8月25日(月曜日)までに電子メールまたは、ファックスでお申し込みください。
プラネタリウム「宇宙人をさがす冴えたやり方 ―沈黙のフライバイ―」 試写会 参加申し込みフォーム |
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試写会 参加申し込みフォーム (pdf, 165.68KB) |
試写会 参加申し込みフォーム (doc, 38.50KB) |
プラネタリウム「はやぶさ2、小惑星へ!」
<概要>
太陽系には、地球や火星、木星などの惑星の他に、小惑星という種類の天体がたくさんあります。その一つを「はやぶさ2」(※)は目指します。
小惑星について紹介するとともに、「はやぶさ2」がどのように小惑星を探査するのか、また、小惑星を研究することの目的を紹介します。
<ポイント>
- 「はやぶさ2」が小惑星を探査する様子(想像図)を、プラネタリウムならではのドーム全体に広がるCG(コンピュータ・グラフィックス)で紹介します。
- 太陽系の「小惑星」という存在を、太陽やその他の惑星と関連付けて紹介します。
プラネタリウム「はやぶさ2、小惑星へ!」
イラスト:池下章裕氏
企画展「はやぶさ2」
<概要>
「はやぶさ2」(※)の打ち上げから、地球帰還までの6年間の旅の計画を「打ち上げ」、「小惑星への到着」、「小惑星への着陸」など節目となる事柄ごとに池下章裕氏の精密イラストと模型資料、実物資料などで紹介・解説します。
<ポイント>
- 「池下章裕氏の精密なCG(コンピュータ・グラフィックス)イラストのパネル展示。
- はやぶさ2原寸大機体模型、イオンエンジン原寸大模型、H-2Aロケットの1/20模型などの模型資料の展示。
- 隕石資料(実物)の展示。はやぶさ2の目的地であるC型小惑星との関連が指摘されている「C型隕石」の展示。
- 小惑星探査や隕石の研究に携わっている研究者と研究内容を、パネルにて展示。
イオンエンジン原寸大模型 写真提供:JAXA
H-2Aロケットの1/20模型 写真提供:JAXA
※小惑星探査機「はやぶさ2」とは
2014年の冬に打ち上げが予定されている日本の小惑星探査機です。
1999JU3という小惑星へ向かい、その表面の岩石を採取して地球に持ち帰ることを目指しています。小惑星への到着は2018年夏頃、地球への帰還は2020年12月と計画されています。
「はやぶさ2」は、2003年に打ち上げられ、2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の後を継ぐ小惑星の探査計画です。「はやぶさ2」の機体設計は、「はやぶさ」で発生した搭載機器の故障等を踏まえて改良されており、より安心して航行ができるようになっています。
また、「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」は、S型に分類される小惑星でしたが、「はやぶさ2」が目指す小惑星1999JU3は、C型という違う分類の小惑星です。C型の小惑星には水の影響を受けた岩石や、アミノ酸などの生命の材料となる有機物が存在する可能性が指摘されており、地球の海や生命の材料について新しい発見があるかもしれません。