プレスリリース
2008年12月10日
ユネスコ世界天文年2009公認特別事業 ガリレオの本など稀覯天文書を一斉公開 12月26日(金)に報道関係者向け内見会、 1月4日(日)に学芸員による一般向け説明会を行います
公開する書籍は、500年前~200年前に著された西欧書籍5点6 冊。地動説と天動説について書かれたガリレオの「天文対話」のほか下表の通りです。これらは、地球が宇宙の中心とする天動説から、地球が動いているとする 地動説に変遷した近代天文学成立を物語っており、文字通り“世界を動かした”書籍です。 なお、公開開始の1月4日(日)には、午後1時30分と午後3時30分から各20分程度、天文学史を専門とする嘉数学芸員による解説を行います。 さらに、12月26日(金)午後3時より報道関係者向け内見会を行い、書籍の説明と直接撮影の機会を設けます。 |
![]() ガリレオ・ガリレイ「天文対話」(初版)の扉。3大科学者のアリストテレス、プトレマイオス、コペルニクスが描かれた扉絵は、初版本にのみ掲載。 |
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公開予定の稀覯天文書(発行年順) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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参考資料:大阪市立科学館の概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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参考:世界天文年について
2009年は、イタリアの科学者ガリレ オ・ガリレイが望遠鏡を夜空に向け、宇宙への扉を開いた1609年から、400年の節目の年です。これを記念し、国際連合、ユネスコ(国連 教育科学文化機関)、国際天文学連合は、この2009年を「世界天文年(International Year of Astronomy:略称 IYA)」と定めました。 ガリレオは、400年前、発明されたばかりの望遠鏡を、世界で初めて夜空に向けることを思い至り、数々の発見をしました。 |
![]() 世界天文年日本委員会キャラクター「ガリレオくんと仲間たち」 |
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月にクレーターがあること。木星に衛星が あること。天の川は多数の星でできていること。金星も満ち欠けをすること。目に見えない星があることなどです。それまでの宇宙観を革命的に変えたこれらの 発見を、ガリレオは熱狂的に著書「星界の報告」で述べています。ガリレオは、それまで神の世界だった天空を、人間が理解できる世界に変え、本当の地球の姿 を宇宙的視点で捉えられるようにしたのです。 2009年は1年中「宇宙 … 解き明かすのはあなた」をスローガンに、世界の100を超える地域で、天文学者、教育者、天文ファン、そして子どもから大人まで多くの人々が、現代ならで はの天文学的知識と、様々な手法で宇宙を見つめ、楽しめるような活動が行われます。科学館も今回の稀覯本の公開を皮切りに様々な事業を行っていきます。そ れらは詳細決定し次第ご紹介して参ります。 |
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世界天文年に関する内外の企画(一部抜粋)
海外の企画は、各国の世界天文年ホームページを参照のこと |
参考:ガリレオとその発見について
ガリレオ・ガリレイ(1564年~1642年)は、イタリアの科学者で、数々の発見をした人物として知られています。機械時計の先駆となる振り子の等時 性の発見。ものの重さと落下速度は本来無関係であることの証明が有名です。ガリレオは、一貫して再現できる実験や観測によって理論を実証する態度をとって います。これは近代科学の基礎であり、ガリレオが嚆矢とされます。ゆえにガリレオを「科学の父」と表現することもあります。 | ![]() (C)世界天文年2009日本委員会、国立天文台、高部哲也(リブラ) |
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2009年はこのガリレオが、世界で初めて望遠鏡を夜空に向けた1609年から400年となることを記念して世界天文年2009と定められています。 ガリレオは、オランダで望遠鏡が発明されたという情報を得、自ら望遠鏡を作成しました。オペラグラスと同様の構造を持つ手作りのもので、倍率は10倍から 30倍程度で何台も作られました。いずれも現在の水準からいえば、子どもの工作物にも劣る粗末なものでした。 しかし、ガリレオはこれらの望遠鏡を使って1609年末から1610年にかけて、空前絶後の天文学的発見ラッシュをします。その様子は1610年3月13日に発行された「星界の報告(岩波文庫より邦訳が出版)」に述べられています。
今日でも、天文学者は、宇宙の真理を追究するために、高度に発達した望遠鏡を駆使しています。そればかりでなくX線や電波、赤外線など人間には感知でき ない電磁波で宇宙の様子を観測し、ロケットにより宇宙探査機を月や惑星に送ったり、コンピュータによるシミュレーションで宇宙の誕生や進化を調べたりと、 様々な手段を駆使しています。そして、ガリレオ同様、宇宙の驚異を次々に明らかにしていっています。 国連のユネスコと世界天文学連合が提唱する世界天文年は、このような時代に、世界中の一人ひとりをガリレオのように宇宙の発見者とし、驚異の宇宙の姿を 多くの人と共有し、楽しもうという年です。古来人類が、そしてガリレオがそうしてきたように、宇宙に目を向けることで、まったく新しい視点や知識が得ら れ、世界が変わっていくことをこの年を契機に見直そうという願いが込められています。
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