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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第65回 パンスターズ彗星!

2013年3月15日

今回のスタッフだよりは今話題のパンスターズ彗星について飯山学芸員に聞きました。

パンスターズ彗星という彗星がやってきます。


彗星というのは、「ほうき星」とも呼ばれる天体で、「しっぽ」を持つことが特徴です。とはいえ、立派な「しっぽ」を見せる彗星は、何年に一度くらいしか現れません。
パンスターズ彗星は、その「何年に一度の立派な彗星」になるかもしれない!と期待されていたのです。

 

パンスターズ彗星は今どこに?


江戸時代の“ほうき星”
「無飽三財図絵」という本の中の挿絵です。
この本は「和漢三才図絵」のパロディで、ほうき星もこのように描かれました。
彗星は、太陽から遠く離れているときは、あまりパッとした見え方をしません。そもそも彗星全体の明るさも、とっても暗いですし、しっぽもほとんどありません。しかし、彗星の観測を重ねて、軌道が分かると、将来どのくらい太陽に近づくか分かるのです。パンスターズ彗星は2011年に発見されて、その時は太陽から遠く離れていたのですが、だんだん太陽に近づいてきて、2013年3月に一番太陽に近づく、ということが分かりました。太陽に近づいたら、きっと立派になるに違いありません。みんな期待しました。
 

現在どんな状況ですか?


そして、昨年の暮れまでは、みんなが予想した通り、順調に成長していました。ところが2013年になってから、急に元気がなくなってきたのです。ちなみに、パンスターズ彗星は、去年の暮れから今年の3月初めまで、ずっと地球の南側に位置していたので、日本などの北半球の国では見ることができませんでした。オーストラリアやニュージーランドなど、南半球の国の人たちが、パンスターズ彗星を見守っていました。でも、今年に入ってからのパンスターズ彗星は、以前に予想されていたほどには明るくなっていないのです。 去年は、「日本でも立派な彗星が見えるだろうなぁ!」と予想していたのですが、このままでは、「立派な彗星」じゃなくて「しっかりした望遠鏡で頑張らないと見えない普通の彗星」にしかならないかもしれません。今(3月3日)は日本では彗星ファンの人達がみんなやきもきしているのです。

日本でも見られる!?


日本では、3月10日前後から、見えるようになるはずです。どんなふうに見えるのか?望遠鏡なしでも見つけられるのか?しっぽは見えるのか?正直なところ、予想するのは難しいです。とにかく、見えるか見えないか、自分で見てみるしかない!ということで、このページは時々書き足ししていきます。
「見えた!」という記事が書き足されるのか、「見えなかったorz」という記事が書き足されるのか、ご期待ください!

追記 2013.3.10


3月8日、9日と、夕方西の空にパンスターズ彗星を探してみました。
ここのところ雨の降らない天気が続いていたせいか、空の低いところはひどく霞んでいて、残念ながら、彗星を見つけることはできませんでした。
今日は、天気予報では雨が降るそうなので、雨上がりに期待したいと思います。

追記 2013.3.11


3月11日、ついにパンスターズ彗星をとらえました!この日は空気が澄んでいて、きれいな青空だったので、「多分これなら彗星が見えるはず!」と意気込んで、大阪城天守閣のすぐ西側で、双眼鏡とカメラを構えて待ち構えました。
18:25頃、10倍50mmの双眼鏡で彗星を発見。細い尾も認識できます。早速望遠レンズを向けて撮影します。最大望遠で頑張ってみる。うーん、思ったより小っちゃいな。もう少し日が暮れて暗くなってきたらもう少し写るのかな? ということで、双眼鏡を覗いたり、肉眼で探してみたり、カメラのシャッターを切ったりを繰り返して、18:45頃、ビルの陰に隠れたので終了。

きれいに晴れていれば、大阪市内でも双眼鏡があれば見えました。でも肉眼で(=双眼鏡無しで)見える人はほとんどいないんじゃないかと思います。少なくとも私には見えませんでした。彗星自体は、大きさは小さいけれど、頭部の集光はしっかりしているし、細いしっぽもかっこいいです。しっかりした望遠鏡があれば、もっとかっこよく見えたかも知れません。


  • 撮影データ

  • 撮影時刻:2013年3月11日18:46

  • カメラ:Fuji FinePix S5Pro

  • 感度設定:ISO1600相当

  • 露出:1/8秒

  • レンズ:300mmF4.5(開放)

  • 35mm版カメラでの424mm相当の画角

  • 撮影者:飯山青海

  • 撮影地:大阪市中央区



彗星部分だけ切り出して、コントラストを強調

追記 2013.3.12


3月12日も前日から引き続いて晴れていたので、夕方大阪城へ行きました。
低空は少しかすみがあったのですが、「まぁこの程度なら見えるだろう」と思っていました。
しかし、実際に探してみると見つかりません。前日見ているのでだいたいの位置は分かっているのに見つかりません。本当にきれいに低空まで晴れている日でないと、見つけられないようです。手ごわいです、パンスターズ彗星。

追記 2013.3.14


昨夜の雨が上がって、お昼頃は雲が多かったものの、夕方には低空まで雲が少なくなってきたので、またも大阪城でパンスターズ彗星に挑戦しました。

11日に見たときは18:25に発見したのですが、今日は18:30の時点で発見できなかったのでちょっと焦りましたが、18:35頃には無事発見できました。機材は11日と同じく10×50の双眼鏡です。11日よりも結構高度が上がっていて、「そこまで高くない」と思って、空の低いところ探しすぎていて発見が遅れた気がします。

見つけた後の感想としては、11日より見やすくなっていると思います。
彗星自体の明るさが明るくなったというよりも、高度が高くなった分、夕焼けの影響が減って見やすくなった、ということだと思います。「ひょっとしたら肉眼でも」と思ったのですが、やっぱり肉眼では見つけられませんでした。

10×50の双眼鏡で見た感じも、しっぽの広がりのグラデーションが認識しやすくなっていて、11日より良く見える、という感想です。



  • 撮影データ

  • 撮影時刻:2013年3月14日18:47

  • カメラ:Fuji FinePix S5Pro

  • 感度設定:ISO1600相当

  • 露出:1/2秒

  • レンズ:300mmF4.5(開放)

  • 35mm版カメラでの424mm相当の画角

  • 撮影者:飯山青海

  • 撮影地:大阪市中央区



彗星部分だけ切り出して、コントラストを強調

追記 2013.3.15


今日は休暇を取っていたので、大阪城へは出かけず、枚方市の自宅のマンションの階段の踊り場で、彗星を探しました。雨が上がってからすでに丸1日以上経っているので、少し低空がもやがかってきていて、昨日(3/14)よりは条件が悪そうでした。それでも18:40頃には発見しました。ちょうど電線の位置が悪かったので、場所を少し移って撮影。背景の夕焼けの色が昨日よりくすんでいます。双眼鏡での見え方はあまり変化を感じません。家から9cmの望遠鏡を出してきて、約50倍で拡大して観察してみたのですが、しっぽのグラデーションがなかなかきれいでした。スケッチを始めよう、としたところで、低空のもやの中へ沈んで行って見失ってしまいました。残念。



  • 撮影データ

  • 撮影時刻:2013年3月15日19:00

  • カメラ:Fuji FinePix S5Pro

  • 感度設定:ISO1600相当

  • 露出:2秒

  • レンズ:300mmF4.5(開放)

  • 35mm版カメラでの424mm相当の画角

  • 撮影者:飯山青海

  • 撮影地:大阪府枚方市



彗星部分だけ切り出して、コントラストを強調

追記 2013.3.21


21日、雨上がりの晴天で、大阪城へ。前回大阪城で見たのが14日だったので、1週間たってしまうと、「あのビルの上あたり」という見当がつかなくて、あちこち探しまわりました。しかも、晴れていると言っても、低空の方は少しかすみがある感じなので、あんまりのんびりしていると見失いそうな気がしてちょっと焦りながら探しました。
いつもどおり10×50の双眼鏡でざっと流すと、2等星が一個見つかりました。ペガスス座γ星かアンドロメダ座α星だと思うのですが、どっちなのかすぐには判断が付かず、2つの可能性を考えながらその周辺を捜索して10分以上経ったでしょうか、18:55頃になってやっと発見。
14日よりは明らかに見つけにくくなっています。ですが、一度見つけてしまえば、そうそう見失わないので、1週間たったとはいえ、まだ悲観するほど見えないというわけでもないです。素直な感想としては、「良く持ちこたえているな」という感じ。写真は少しブレてしまいました。ごめんなさい。



  • 撮影データ

  • 撮影時刻:2013年3月21日19:00

  • カメラ:Fuji FinePix S5Pro

  • 感度設定:ISO1600相当

  • 露出:2秒

  • レンズ:300mmF4.5(開放) (35mm版カメラでの424mm相当の画角)

  • 撮影地:大阪市中央区



彗星部分だけ切り出して、コントラスト等を強調したもの。

追記 2013.4.1


しばらく天気の巡り会わせが悪くて観察できていなかったのですが、4月1日の夜明け前に、久しぶりにパンスターズ彗星を観測できました。

低空は薄雲があって、星が良く見えない状況のなか、それらしい方向へカメラを向けて強引に撮影を重ねていると、4:20過ぎに、やっと彗星の近くの恒星の並びを写すことができました。4:25に彗星をカメラに収めることに成功。10cm屈折望遠鏡でも観察すると、相変わらず中央集光はしっかりしていて、しっぽも何とか伸びているのが分かります。しかし、薄雲のムラの中を通過中なのでしょうか、しっぽは見えたり見えなかったりを繰り返す状況です。7×50の双眼鏡でも探しましたが、見つかりません。カメラの方は露出を変えたりしながら、どんどん撮影を続けます。

夜が明けてくるにつれて、だんだん、背景が青くなってきます。4:45頃、彗星は東の空の薄雲の上へ出てきたようで、写真写りも、望遠鏡での見え方も良くなりました。しかし、その時点では、もうかなり空が明るくなってきています。7×50の双眼鏡でもう一度頑張って探しましたが、やっぱり見つけられません。5:00には、カメラの方も空が明るすぎる状況になってきたのであきらめて今日の観測を終了しました。そろそろ双眼鏡には荷が重い相手になってしまいました。



  • 撮影データ

  • 撮影時刻:2013年4月1日4:55

  • カメラ:Fuji FinePix S5Pro

  • 感度設定:ISO1600相当

  • 露出:8秒

  • レンズ:300mmF4.5(開放) (35mm版カメラでの424mm相当の画角)

  • 撮影地:大阪府枚方市




彗星部分だけ切り出して、コントラスト等を強調したもの。

最後にひとこと

飯山青海

4月に入ると、パンスターズ彗星は明け方の空で見やすい位置に移動してきますが、彗星そのものは太陽から遠ざかって暗くなっていきます。望遠鏡を使えばまだしばらく観察可能と思いますが、双眼鏡では荷が重い、ということで、この記事の追記はここまでにしたいと思います。 科学館学芸員 飯山青海
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