スタッフだより
第14回 「天の川を見よう」
2008年6月5日
6月1日(日)から、プラネタリウムが「天の川を見よう」というテーマへ変わりました。そこで、今回のプラネタリウムを企画した、飯山学芸員に新しい作品について聞いてみたいと思います。
新しいプラネタリウムのテーマは、「天の川」。なぜこのテーマを選んだのですか?
ここのところ、プラネタリウムのテーマで、ちょっと難しい天文学の話題が続いたように思うので、今回は、「のんびりと星を見られて、少しサイエンスの香りがする」話題として天の川をメインに持ってきました。
今回のプラネタリウムのみどころは?
科学館では、2004年のプラネタリウムリニューアル以来、CGを多用する演出が多かったのですが、今回は、あえてCGによる演出を減らして、投影機本体の星空の美しさを前面に出しています。
天体写真で見る天の川と、実際に目で見る天の川は、ずいぶん印象が違うのですが、当館のプラネタリウムの天の川は、本物を目で見た印象にとても近く仕上げられています。
しかも本物と違って、プラネタリウムですから、日本では見られない南十字星の付近の天の川までたっぷりとご覧いただけます。
プラネタリウムを見た後に、本物の「天の川」が見たくなりそうですね。
実際に「天の川」を見ることはできるのでしょうか?
私は一時期、熊本県の阿蘇に住んでいた時期があるのですが、阿蘇では、天の川は見えて当たり前でした。
大阪、京都、神戸と大都市の近接している関西では、よほど都市から離れないと、美しい天の川は見えません。
とはいっても、どこまで行ったら天の川が見えるか、という質問に答えるのはなかなか難しくて、例えば高速道路を走っていって、あるトンネルをくぐったら、突然天の川が見えるようになる、というようなものではありません。天の川の見え方にもいろいろ段階があって、
◆「めちゃめちゃ良く見える」
◆「よく見える」
◆「まぁ見える」
◆「かすかに見える」
◆「言われてみればそのあたりだけ少し空が明るい」
◆「気のせいかと思ったけどそうでもないらしい」
◆「やっぱり見えない」
と、いろいろな段階があるわけで、めちゃめちゃ良く見えるレベルを要求しなければ、そんなに遠くまで行かなくても、天の川は見えるのです。
ごく微かに見えるだけでよければ、実は都市部でも意外と見えます。
台風一過や、梅雨の大雨の後など、大気中のホコリが雨ですっかり洗い流された後ですと、都市部でも意外なほど星が良く見える夜があります。
ここまで行けば、確実に良く見える、という場所もたくさんありますが、例えば、奈良県の中央部に天川村という小さな村があります。名前からして、いかにも天の川が見えそうな地名ですが、実際に夜になれば、晴れていれば天の川が良く見えます。
曇っていても、村の中央部を流れる天の川という本物の川なら見えます。吉野杉の香に包まれ、柿の葉寿司を食べながら天の川を眺めるのも風流かもしれませんね。
最後に一つだけ注意を。月が出ている夜は、月がとっても明るいために、田舎に行っても天の川は良く見えません。
天の川を見るならば、月の出ていないときを選んで空を眺めましょう。
プラネタリウムを見た後に、夜空を見上げて「天の川」をさがしてみてはいかがでしょうか。
今回のプラネタリウムは8月31日(日)まで投影します。お見逃しなく。
スタッフだより
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- 第144回 サイエンスショー「ふしぎな形」
- 第143回 プラネタリウム「火星ふたたび接近中!」
- 第142回 ミニ企画「積み木のルーツ~フレーベル『恩物』」展
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- 第135回 プラネタリウム「宇宙ヒストリア~138億年、原子の旅~」
- 第134回 プラネタリウム。リニューアルの舞台裏
- 第133回 展示場のリニューアル
- 第132回 大阪市立科学館と大阪大学
- 第131回 展示場リニューアル準備 ~気象コーナー~
- 第130回「はやぶさ2」
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- 第125回「火星大接近」
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- 第56回 プラネタリウム・キッズタイムと新プログラム
- 第55回 金環日食
- 第54回 そらみたことか-気象光学現象について-
- 第53回 電気科学館の思い出
- 第52回 科学デモンストレーターとは何か?
- 第51回 「世界化学年2011」を振り返る
- 第50回 プラネタリウムリニューアルオープン
- 第49回 皆既月食
- 第48回 新展示「風車」登場!
- 第47回 アンドロメダ銀河の正体
- 第46回 花火の化学展
- 第45回 七夕にまつわる新発見!
- 第44回 「蜃気楼」ってなんだろう
- 第43回 新館長よりご挨拶
- 第42回 科学館ミニブック 第2弾!第3弾!登場
- 第41回 世界化学年2011
- 第40回 アジアの星と神話
- 第39回 科学館のおすすめ展示 その2
- 第38回 はやぶさ帰還カプセル展示を終えて
- 第37回 科学館のおすすめ展示 その1
- 第36回 新スタッフ紹介
- 第35回 大型映像を見よう
- 第34回 「はやぶさ」遂に地球へ帰還
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- 第32回 展示場をより楽しむ方法
- 第31回 サイエンスショーができるまで
- 第30回 科学館天文台
- 第29回 モバイルプラネタリウム
- 第28回 宇宙の「謎」を解き明かす
- 第27回 流星群を観察してみませんか?
- 第26回 20周年を迎えて
- 第25回 はじめまして!
- 第24回 「皆既日食」見て来ました!
- 第23回 「7月22日、日食を見よう!」
- 第22回 「広報担当S&Yの試写レポート」
- 第21回 「宇宙がわかる」
- 第20回 「HAYABUSA」公開開始!
- 第19回 「いろいろ集めてます!第2弾」
- 第18回 「世界天文年2009」
- 第17回 「元素がわかる」
- 第16回 「ペルセウス座流星群を見よう!」
- 第15回 「新!展示場 誕生」
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- 第13回 「リニューアルまであと2ヶ月!」
- 第12回 「サイエンスガイドって?」
- 第11回 「137億年の歴史」
- 第10回 「プラネタリウムのライブ解説」
- 第9回 「いろいろ集めてます」
- 第8回 「電気びりびり」
- 第7回 「プラスチック 100年」
- 第6回 「プラネタリウムの今昔」
- 第5回 「結晶の世界」
- 第4回 「密着!学芸員」
- 第3回 「そらみたことか」
- 第2回 「流れ星を追いかける男」
- 第1回 「ほないくで」
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