スタッフだより
第126回「科学デモンストレーター10周年」
2018年7月3日
サイエンスショーの実演活動をする大阪市立科学館のボランティアグループ「科学デモンストレーター」。この度、科学デモンストレーターの活動が10周年を迎えます!
科学デモンストレーターとはどういう人たち?
科学デモンストレーターは、大阪市立科学館のサイエンスショー担当学芸員による「科学デモンストレーター研修講座」を修了したボランティア集団です。
当館ホームページでも、25人の活動とお顔を紹介しています。
https://www.sci-museum.jp/support/volunteer/
「科学デモンストレーター研修講座」は、6月に開講し、3月までの8ヵ月間、3種類のサイエンスショーの練習、実演などを行う講座です。修了時の検定に合格すると、ボランティア「科学デモンストレーター」として活動していただくことになります。
例年の募集要項の一部を、ご紹介しましょう。
10周年を機に、科学デモンストレーターの有志みなさんが、自分たちのアンケート調査を実施しました。その結果によると、科学デモンストレーター研修講座に参加したときの年齢は、下の図のように20~30才代で半分以上を占めました。また、応募した理由は「実験が好きだから」という理由の方が最も多かったようです。
これからの「科学デモンストレーター研修講座」に応募しようかなと思っていらっしゃる方がいらしたら、来年4月頃に募集要項が公式ホームページに掲載されますので、ぜひチェックしてみてください。
科学デモンストレーターの活動は?
科学デモンストレーターは、修了したあと、展示場3階のサイエンスショーコーナーで「エキストラ実験ショー」で活動します。自分が習得したテーマの実験ショーを、約20分間、お客様の前で実演するのです。
実験ショーは、これまでサイエンスショーとして学芸員が企画・制作したもので、「エキストラ実験ショー」のために常時、約10種類を用意しています。研修期間中に習得したテーマの他、活動に慣れてきたら新しいテーマを勉強したり練習したりして、活動の幅をどんどん広げていっています。
基礎活動である「エキストラ実験ショー」は不定期で開催していますが、スケジュールをホームページで公開していますので、ぜひご覧ください。
https://www.sci-museum.jp/scienceshow/extra/
また、今年は休館のため実施しませんが、科学デモンストレーターが一同に会して1日中、実験ショーを公開する「We are 科学デモンストレーターズ!」。2019年からは秋頃の開催が復活する予定です。科学が好きな方、同じ科学が大好きな科学デモンストレーターと一緒に、どっぷり実験ショーの1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
そして、さらなる研修を重ねた科学デモンストレーターは、科学館を飛び出し、実験ショーの実演を通してより多くの方に科学の楽しさを伝える活動にも参加しています。また自主活動として、さまざまな科学イベントに参加したり、海外の科学館で実験ショーを行ったりするなど、活動の幅は年々広がっています。
大阪市立科学館が科学デモンストレーター研修講座を始めた理由
科学デモンストレーター研修講座は、現在、館長を務める齋藤吉彦学芸員のアイディアで始まりました。サイエンスショーの実演は、主に物理と化学を担当する学芸員が行っています。私も化学担当の学芸員としてサイエンスショーの実演をしていますが、お客様と一緒に科学の時間を過ごすことは、この仕事に就いてよかったなと思える楽しい仕事のひとつです。
そんな楽しいサイエンスショーを、学芸員だけが独占するのではなく、一般市民のみなさんにもそんな楽しい時間を味わってもらおう!というのが、齋藤館長の最初のきっかけだったようです。 そのために、サイエンスショー担当学芸員が10年、20年の経験を通して培ってきた技術や知識を伝え、習得してもらうための講座が、科学デモンストレーター研修講座です。
国内では、学芸員がいる科学館施設も少ないですが、実験ショーを行う一般市民の方のための研修講座は、他の科学館施設でも前例がありません。そして修了生の活躍によって、科学デモンストレーターは国内外で高い評価をいただいています。
科学デモンストレーター10周年記念企画
科学デモンストレーターは、修了したあと、展示場3階のサイエンスショーコーナーで「エキストラ実験ショー」で活動します。自分が習得したテーマの実験ショーを、約20分間、お客様の前で実演するのです。
10周年をお祝いし、たくさんの方に活動を知っていただき、そしてこれからの活力とするために、科学デモンストレーターの有志と学芸員が集まって、デモスト10周年特別企画を開催しています。どの企画部門もデモストさんのアイディアが満載です!
展示場3階わたり廊下では、10周年「パネル部門」で作った「デモスト10周年記念パネル」を公開中です。先ほど応募時の年齢の円グラフなども紹介しましたが、ボランティアでサイエンスショーをしている人ってこんな人たちです!という内容を自己&他己紹介しています。また同じ場所で「ドキュメンタリー部門」で作った、デモンストレーターの活動紹介ビデオも上映しています。
展示物とエキストラ実験ショーをリンクさせて、どちらもさらに楽しんでもらおうという「タイアップ部門」のパネルも、展示場でぜひ探してみてください。これを見てからエキストラ実験ショーを見ると、きっと2,3倍、ショーを楽しめるはずです!
そしてこの夏には、①ショー見て実験!「電池のヒミツ」と②「君も科学デモンストレーター」と題した特別イベントを開催します。より深く実験ショーを楽しめる①の企画、大人しかなれないデモストを小中高生が一足先に体験できる②の企画、ぜひ詳細をチェックして、お申し込みください。
このあとも、サイエンスサーカスでの活動、科学デモンストレーター10周年史の発行、などいろいろな記念企画が続きます。
参加者募集中!君も科学デモンストレーター (申込締切7/17必着)
学生のみなさんも、将来の「科学デモンストレーター」を目指して、お客様の前で実験ショーをしてみませんか?科学デモンストレーターと学芸員が優しく楽しく手ほどきします。1日のさいごには、科学デモンストレーターといっしょにお客様の前でショーをしてみましょう。
■開催日とサイエンスショーのテーマ(希望日を記載してお申し込みください)
①8月4日(土)「見える見えないのふしぎ」◆担当:木村友美(科学デモンストレーター2期生)
②8月11日(土・祝)「光のヒミツ」◆担当:坪井建治(科学デモンストレーター3期生)
③8月18日(土)「光の虹を見てみよう」◆担当:吉岡亜紀子(科学デモンストレーター1期生)
■対象 小学5年生~高校3年生
■定員 各日2名<応募多数の場合は抽選>
■参加費 無料
■詳しくは https://www.sci-museum.jp/event/
参加者募集中!ショー見て実験!「電池のヒミツ」 (申込締切7/20必着)
サイエンスショー「電池のヒミツ」を見たあとに、工作や実験を通して電池のしくみや作り方を楽しく学びましょう。ショーではいろいろな種類の電池を作りながら電池の原理を紹介します。その後、自分で電子オルゴールを組み立てて、サイエンスショーで見た電池を作ったり電子オルゴールが鳴ったりするか実験してみましょう。
講師:坪井建治(科学デモンストレーター3期生)
アシスタント:岸本由希(科学デモンストレーター9期生)
■開催日時 7月29日(日) 12:15~14:00
■対象 小学5年生~一般
■定員 40名<応募多数の場合は抽選>
■参加費 1,000円
■詳しくは https://www.sci-museum.jp/event/
最後にひとこと
岳川有紀子学芸員
これからの10年も
10周年記念企画はもちろんのこと、普段、科学デモンストレーターに会える「エキストラ実験ショー」は見逃せません。担当者と演目はホームページで公開中です。2018年9月3日からは展示場が閉鎖になりますので、サイエンスショーもエキストラ実験ショーも2019年3月末までお休みです。ぜひ今のうちにご堪能ください。
エキストラ実験ショーのスケジュールはこちら
https://www.sci-museum.jp/scienceshow/extra/
ゼロから始まった科学デモンストレーターが10年でこんなにすばらしい集団になりましたのは、何よりも、仕事や家庭などで忙しい中でも、「もっと実験ショーが上手になりたい!」「お客様ともっと科学を楽しみたい!」と意欲的に活動を続けておられる科学デモンストレーターの努力の賜物だと思っています。
これからの10年も、科学デモンストレーターのみなさんと、お客様と、さらにすばらしい科学の時間を共有できますことを、心から祈念しています。
スタッフだより
- 第150回 ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」
- 第149回 全天周映像作品「ブラックホールを見た日~人類100年の挑戦~」
- 第148回 プラネタリウム「天王星発見240年」
- 第147回 南部陽一郎生誕100周年記念 企画展示「ほがらかに」―南部陽一郎の人生と研究―
- 第146回 プラネタリウム「冬の天の川」
- 第145回 プラネタリウム「HAYABUSA2 ~REBORN」
- 第144回 サイエンスショー「ふしぎな形」
- 第143回 プラネタリウム「火星ふたたび接近中!」
- 第142回 ミニ企画「積み木のルーツ~フレーベル『恩物』」展
- 第141回 プラネタリウム「夜空の宝石箱『すばる』」
- 第140回 いろいろな楽器のグループ分け
- 第139回 サイエンスショー「電池がわかる」
- 第138回 プラネタリウム「星空歴史秘話」
- 第137回 プラネタリウム「木星と土星の世界」
- 第136回 「蜃気楼(しんきろう)」を見てみませんか?
- 第135回 プラネタリウム「宇宙ヒストリア~138億年、原子の旅~」
- 第134回 プラネタリウム。リニューアルの舞台裏
- 第133回 展示場のリニューアル
- 第132回 大阪市立科学館と大阪大学
- 第131回 展示場リニューアル準備 ~気象コーナー~
- 第130回「はやぶさ2」
- 第129回 スペシャルナイト「さよならインフィニウムL-OSAKA」
- 第128回「2018サイエンスサーカス・ツアー・ジャパン」
- 第127回「スーパー磁石で大実験」
- 第126回「科学デモンストレーター10周年」
- 第125回「火星大接近」
- 第124回 サイエンスショー「ふわふわ、きらきら!シャボン玉サイエンス」
- 第123回 プラネタリウム「眠れなくなる宇宙のはなし」
- 第122回 プラネタリウム「はるかなる大マゼラン雲」
- 第121回 サイエンスショー「虹でじっけん、光のせかい」
- 第120回 幼児のための企画展「にじのせかい」
- 第119回 プラネタリウム「ブラックホール合体!重力波」
- 第118回 企画展「大阪市立科学館資料で見るノーベル賞展」
- 第117回 サイエンスショー「マイナス200℃のふしぎ」
- 第116回 プラネタリウム「秋の夜長に月見れば」
- 第115回 「大人も子どもも、紫キャベツ!」
- 第114回 「空を眺めると…~夏の雲はモクモク雲~」
- 第113回 プラネタリウム「木星と土星を見よう」
- 第112回 プラネタリウム「見上げよう!未来の星空」
- 第111回 企画展「石は地球のワンダー~鉱物と化石に魅せられた2人のコレクション~」
- 第110回 プラネタリウム「見えない宇宙のミステリー~謎の光・X線をとらえろ~」
- 第109回 「星図の描き方」
- 第108回 サイエンスショー「静電気なんてこわくない!?」
- 第107回 プラネタリウム解説デビュー裏話
- 第106回 サイエンスショー「ふしぎな形にだまされるな!」
- 第105回 「化学と宮沢賢治」
- 第104回 プラネタリウム「星空オールナイト」
- 第103回 プラネタリウム「火星・土星・冥王星ツアー」
- 第102回 プラネタリウム「ファミリータイム」
- 第101回 この夏は「花火×化学」
- 第100回 プラネタリウム「銀河の世界」
- 第99回 プラネタリウム「星の誕生」
- 第98回 「スーパー磁石で大冒険」
- 第97回 「鉱物の結晶構造」
- 第96回 「だれでもできる!天体写真を写してみよう」
- 第95回 プラネタリウム「ロゼッタ、彗星を探査せよ」
- 第94回 サイエンスショー「フシギな偏光板」
- 第93回 企画展「光とあかり」
- 第92回プラネタリウム「ブラックホール」
- 第91回サイエンスショー「赤青緑の光サイエンス」
- 第90回国際光年協賛「花火の色とひかり展」
- 第89回プラネタリウム「天の川をさぐる」
- 第88回プラネタリウム「ボイジャー太陽系脱出」
- 第87回サイエンスショー「飛ばしてみよう!」
- 第86回 プラネタリウム「オーロラ」
- 第85回 サイエンスショー「バランス大実験」
- 新年のごあいさつ
- 第84回 プラネタリウム「ビッグバン~宇宙ヒストリア~」
- 第83回 サイエンスショー「水の科学」:凍らない水
- 第82回 プラネタリウム「宇宙人をさがす冴えたやり方―沈黙のフライバイ」
- 第81回 「はやぶさ2」 プラネタリウム&企画展について
- 第80回 サイエンスショー「空気パワー」
- 第79回 プラネタリウム「天の川って、なんだろう」
- 第78回 プラネタリウム「月へいこう!~おためし月面生活~」
- 第77回 オーストラリア・パワーハウスミュージアム訪問記(後編)
- 第77回 オーストラリア・パワーハウスミュージアム訪問記(前編)
- 第76回 プラネタリウム「南十字星にあいにいこう」
- 第75回 「都会の星」写真展
- 新年のごあいさつ
- 第74回 サイエンスショー「炎のアツい科学」
- 第73回 プラネタリウム「オーロラ」
- 第72回 企画展「色の彩えんす」まもなく終了
- 第71回 プラネタリウム「宇宙のトップスター」
- 第70回 国際会議で発表
- 第69回 サイエンスショー「マイナス200℃の世界」のご紹介
- 第68回 プラネタリウム2013年夏のプログラム紹介
- 第67回 くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~
- 第66回 プラネタリウム「未来の星座を見てみよう」
- 第65回 パンスターズ彗星!
- 第64回 サイエンスショー「サウンド・オブ・サイエンス♪」
- 第63回 『宇宙のハーモニー ~奇跡の地球に生まれて~』 のできるまで
- 第62回 プラネタリウム新プログラム「オーロラ」
- 第62回 プラネタリウム新プログラム「木星」
- 第61回 展示場3階「色の化学」
- 第60回 宇宙に浮かぶ望遠鏡
- 第59回 光のヒ・ミ・ツ
- 第58回 企画展「渋川春海と江戸時代の天文学」を開催します
- 第57回 新スタッフ紹介
- 第56回 プラネタリウム・キッズタイムと新プログラム
- 第55回 金環日食
- 第54回 そらみたことか-気象光学現象について-
- 第53回 電気科学館の思い出
- 第52回 科学デモンストレーターとは何か?
- 第51回 「世界化学年2011」を振り返る
- 第50回 プラネタリウムリニューアルオープン
- 第49回 皆既月食
- 第48回 新展示「風車」登場!
- 第47回 アンドロメダ銀河の正体
- 第46回 花火の化学展
- 第45回 七夕にまつわる新発見!
- 第44回 「蜃気楼」ってなんだろう
- 第43回 新館長よりご挨拶
- 第42回 科学館ミニブック 第2弾!第3弾!登場
- 第41回 世界化学年2011
- 第40回 アジアの星と神話
- 第39回 科学館のおすすめ展示 その2
- 第38回 はやぶさ帰還カプセル展示を終えて
- 第37回 科学館のおすすめ展示 その1
- 第36回 新スタッフ紹介
- 第35回 大型映像を見よう
- 第34回 「はやぶさ」遂に地球へ帰還
- 第33回 科学館もおでかけします
- 第32回 展示場をより楽しむ方法
- 第31回 サイエンスショーができるまで
- 第30回 科学館天文台
- 第29回 モバイルプラネタリウム
- 第28回 宇宙の「謎」を解き明かす
- 第27回 流星群を観察してみませんか?
- 第26回 20周年を迎えて
- 第25回 はじめまして!
- 第24回 「皆既日食」見て来ました!
- 第23回 「7月22日、日食を見よう!」
- 第22回 「広報担当S&Yの試写レポート」
- 第21回 「宇宙がわかる」
- 第20回 「HAYABUSA」公開開始!
- 第19回 「いろいろ集めてます!第2弾」
- 第18回 「世界天文年2009」
- 第17回 「元素がわかる」
- 第16回 「ペルセウス座流星群を見よう!」
- 第15回 「新!展示場 誕生」
- 第14回 「天の川を見よう」
- 第13回 「リニューアルまであと2ヶ月!」
- 第12回 「サイエンスガイドって?」
- 第11回 「137億年の歴史」
- 第10回 「プラネタリウムのライブ解説」
- 第9回 「いろいろ集めてます」
- 第8回 「電気びりびり」
- 第7回 「プラスチック 100年」
- 第6回 「プラネタリウムの今昔」
- 第5回 「結晶の世界」
- 第4回 「密着!学芸員」
- 第3回 「そらみたことか」
- 第2回 「流れ星を追いかける男」
- 第1回 「ほないくで」
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