スタッフだより

第122回 プラネタリウム「はるかなる大マゼラン雲」

2018年3月1日

今回のスタッフだよりはプラネタリウム「はるかなる大マゼラン雲」の企画・制作を担当した西野学芸員に話を聞きました。

「大マゼラン雲」って、なんですか?

大マゼラン雲というのは、南半球の星空で見られる天体の1つです。白くぼんやりとしていて、まるで雲のように見えるので大マゼラン“雲”とよばれますが、その正体は星の集団・銀河です。近くには少し小ぶりで同じような天体、小マゼラン雲があります。残念ながら大・小マゼラン雲は、日本では見ることができません。見るためには大阪をはなれて、南半球まで行く必要があります。

タイトルに“はるかなる”とありますが、つまり遠いところにあるのですか?

はい。夜空にある、私たちの目で見える天体の中では、圧倒的に遠いと言えます。
私たちの住む地球は、「天の川銀河」という大きな銀河に属しており、夜空で見える星や星雲、星団などはほぼ、天の川銀河の中にあります。でも、大・小マゼラン雲はいずれも天の川銀河の外側にある、また別の銀河です。夜空で見える星は、地球からせいぜい数光年~数百光年のところにありますが、大マゼラン雲までは16万光年、小マゼラン雲までは20万光年ほどはなれています。
ただ宇宙には、こうした星の集団・銀河が無数に存在していて、銀河という単位で考えると、大・小マゼラン雲は天の川銀河に最も近い銀河と言えます。どちらも天の川銀河とともに宇宙を旅する、いわば“お供の銀河”なんですね。

一番のみどころを教えてください

今から30年ほど前の1987年、大マゼラン雲は、日本だけでなく世界中の天文学者や科学者から大注目を浴びました。その時、大マゼラン雲の中に突如明るい光が現れたからです。この明るい光の正体は、その後「超新星1987A」とよばれるようになりました。そして30年経った今もなお、世界中の天文学者が注目を続けていて、観測・研究が進められています。実は日本にも、後にノーベル賞を受賞することとなった素晴らしい成果が残されているのです。今回のプラネタリウムでは、そうした超新星1987Aの正体にも迫っています。30年経った今だからこそ見えてきた、分かってきた超新星1987Aのすがたを、ぜひ、じっくりとご覧いただきたいです。

最後にひとこと


西野藍子学芸員

南半球の星空には大阪では見られない星座や天体がたくさんあります。一番有名なのは、みなみじゅうじ座、いわゆる「南十字星」ですね。他にも石炭袋や、今回のテーマになっている大マゼラン雲、そして、小マゼラン雲。ふだんは見られない美しい南天の星空も、この機会にぜひ、合わせてお楽しみいただきたいですね!

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