スタッフだより

第67回 くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~

2013年5月27日

今回のスタッフだよりは、現在上演中のサイエンスショー「くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~」の見どころについて岳川学芸員に話を聞きました。

サイエンスショー「くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~」のご紹介

こんにちは。化学担当学芸員の岳川有紀子です。今回は、6月2日まで公開中のサイエンスショー「くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~」についてご紹介します。  空気は、私たちのまわりにいつも必ずあって、生きるために絶対に必要なものです。そんな大切な存在なのに、いつもいつも空気のことを考えている人って少ないですよね。もし宇宙に行くことがあれば、空気のありがたさや存在感を、つくづく感じるのでしょう。
今回のサイエンスショーは、見えないけれど大切な存在である空気にクローズアップしています。
すこしだけ、サイエンスショーの実験をご紹介しましょう。

空気が見える!・・・ような気持ちになろう

これは、まるい穴をあけたダンボール箱です。中には、空気だけが入っています。箱の横をたたくと、中の空気が穴から勢いよく出てきます。リボンやろうそく に狙いをさだめると・・・、穴から出た空気のかたまりでリボンが動き、ろうそくの火が消えます。ほら、なんとなく空気がそこにあって、動いているように見 えてきませんか?
空気は目に見えないだけで、実は、ちゃんとした”もの(物質)”なんです。

空気の中の”ある”成分・・・シーオーツーに注目しよう

空気の中には、「シーオーツー」という成分がすこし混ざっています。「シーオーツー」は小学校6年生の理科で習う「二酸化炭素」の別名で、ものを燃やしたときや呼吸で出てくる気体です。化学の記号では「CO2」と書きます。シーオーツーも空気とおなじで見えないのですが、見えるような気持ちになっていっしょに実験を観察していきましょう。

透明のバケツの中に、「シーオーツー」がたっぷりたまっています。火をつけたロウソクを入れた水槽に、「シーオーツー」を「じゃーー」っと注ぐと・・・、火が消えました!
さあ、このロウソクにもういちど火をつけてみましょう。

おやおや、スイッチから手を離していないのに、ライターの火が水槽の真ん中あたりで消えてしまいます。これはどういうことでしょうか?

「シーオーツー」は、コンピュータールームや美術館の消火器として使われるほど、火を消すのが得意です。ちなみに、万が一のときにこの消火器を使っても、消火器から出てきたシーオーツーは空気中に跡形もなく逃げていくので、部屋を汚さないというメリットがあります※ 。
水槽の真ん中あたりでライターが消えてしまうのは、水槽の中にシーオーツーが残っているからです。しかも、シーオーツーは空気よりすこし重たいので、水槽の下の方にたまります。と、言われると、見えないシーオーツーが水槽の下半分くらいに存在しているのが、イメージできませんか? ※ 家庭に置かれることが多い最も普及している「ABC消火器」は、普通の火災以外に、油、電気が原因の場合にも使用できます。ABC消火器は、粉末の薬剤 (リン酸アンモニウムなど)が出てきて消火します。そのため、使用後には白っぽい粉が残ります。またシーオーツー消火器は、窒息作用によって消火するの で、設置できる場所等に制限があります。

最後にひとこと


岳川学芸員

 空気の中にわずかしか含まれない「シーオーツー」ですが、消火器以外にも、私たちの生活のいろんなところで使われています。どんなところでどんな風につかわれているか、ぜひサイエンスショーの実験をご覧ください。 サイエンスショー「くうきフシギ発見!~シーオーツーのひみつ~」の上演スケジュールはこちら

 

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