1. TOP
    2. スタッフだより
    3. 第32回 展示場をより楽しむ方法

スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第32回 展示場をより楽しむ方法

2010年4月7日

科学館の展示場には、200以上の展示があります。これを短時間でさっと見るだけではもったいない。ということで今回は、来館される方に合わせて、じっくりおすすめの楽しみ方を岳川学芸員がご紹介します。

親子で…の場合


週末には、親子連れの方もたくさん来られます。遠足で来て楽しかったから、今日は家族で…ということもよくあるようで、嬉しいですね。
親子で科学館に訪れた日は、まずは迷わず2階へ!2階は「おやこで科学」フロアですから、ピッタリです。

ここでは、子どもが(大人も!)素朴に楽しめる実験装置を、約40点用意しています。
実験した子どもに「なんで~」と聞かれた場合も、大丈夫。そんな時のための便利アイテム(下の写真の矢印部分の解説)も用意しています。

2階「おやこで科学」フロア

保護者の方は、子どもが楽しんでいるスキに、ササっと解説に目を通していただければ、親子で「楽しむ」だけでなく、プラス「ちょっと勉強になる」で、科学館をより効果的に使っていただけると思います。
ひとつづつ「実験&なんで~」を繰り返すと、2時間近くは過ごしていただけるので、時間に余裕をもってお越しください。
 
大人の方への展示解説(矢印部分

カップルで…の場合


学校を卒業してから○年…という、学生時代の思い出に浸りながら、体験と見学を絶妙にミックスした4階フロアがお勧めです。

エレベータを降りてすぐ、「水・金・地・火・木…」と記憶した「惑星大きさくらべ」がお迎えします。2年ほど前に話題になった「冥王星」のエピソードも要チェックです。
模型を見比べて「宇宙の中で地球は小さい」と気付いた途端、宇宙の果てしない広さが想像され、広い宇宙でお互いに出会えたことに感謝できるかもしれません。

惑星大きさくらべ

次は、カップルでちからくらべをしてみましょう。ただし、ハンドルを握る前にどちらのハンドルを握るべきか、選択を誤らないように気をつけてください(直径に要注意です)。

ちからくらべ

バンクーバーオリンピックを思い出して、トリプルアクセル、ビールマンスピンを披露してみましょう。浅田真央選手はなぜクルクル回れるのか…スポーツと物理について、実験を踏まえた議論もありです。
このように、実生活に意外と深く関わる科学、を(勝手に)テーマとした見学をとおして、お互いの理解も深めてはいかがでしょうか。

スピードスピン

じっくり見たいおひとり様で…の場合


じっくり見る、じっくり読む、じっくり科学する、に焦点を当てたい方は、博物館の真骨頂を発揮する3階「身近に化学」フロアがお勧めです。

ここは、日本国内で最大級の、化学をテーマとした常設展。博物館施設である大阪市立科学館が保有する数々の資料のうち、フロアのテーマに沿ったものを公開しています。もちろん、ほぼすべてが本物です。
中でもぜひ時間をかけて見ていただきたいのは、世界初の実用的なプラスチックである「ベークライト」の資料の数々です。

3階「身近に化学」フロア

1907年にベークランドが特許を出願した、世界初の実用的な完全なる合成プラスチック「ベークライト」。それまで人類が使ってきたどの素材とも違う特徴・作り方ゆえに重宝がられ、そしてまた流行の素材として旋風を巻き起こしました。
成型しやすいので家庭用品に、電気を流さないので電化製品に、軽いので金属の代わりに…という使われ方は、資料を見れば一目瞭然です。では数々のベークライト製アクセサリーは…?その理由は「世界初!」だからです。そんな斬新な素材で作られたものを身に付けていることは、流行に敏感な人々にとって、おしゃれの新しい価値観としてブームになったのでした。

さくらんぼブローチ
ベークライト・1930年頃・アメリカ?製

このベークライトは、天然樹脂の一種「シェラック」を人工的に作ることを目指し、作られたと言われています。シェラックはラックカイガラムシという小さな昆虫の分泌物を精製したもので、絶縁体などに有用な素材でしたが、当時は大量生産ができなかったためです。ちなみにシェラックは現代の私たちも使っているんですよ。食べている人も多いかもしれません(!)

シェラックの原料「スチックラック」
タイ産

このように「天然物を化学合成で作り出そう」というのはベークライトだけではありません。例えばセルロイド(半合成プラスチック)も、象牙(天然物)を人工的に作ろうとした素材です。まったく同じ物質ではありませんが、セルロイドのブレスレットなどは、色も風合いも細工も、まさに象牙にそっくりです。また当時はそれだけの価値もありました。

ブレスレット
セルロイド製・1950年代・アメリカ製

こうした背景を持ってご覧いただくと、動かず喋らない資料も深く楽しんでいただけることと思います。
なお解説は各資料に附属していますが、フロア内の展示ガイドスタッフにお声かけいただくと、解説パネルでは書ききれなかった情報を聞けるかもしれません。

化学によって生まれた素材と、ライフスタイルの変化を、本物の資料から感じてみてください。


青いベストがガイドスタッフの目印です
  • 開催日カレンダー
  • プラネタリウム スケジュール
  • 交通アクセス