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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第60回 宇宙に浮かぶ望遠鏡

2012年10月6日

今回のスタッフだよりは、9月から始まったプラネタリウム新プログラム「宇宙に浮かぶ望遠鏡―美しすぎる!星のすがた―」の見どころについて江越学芸員に話を聞きました。

今回のプラネタリウムについて教えてください
今回のテーマは「宇宙に浮かぶ望遠鏡―美しすぎる!星のすがた―」。宇宙望遠鏡がとらえた星空は、地上から見るものと比べて何倍も鮮明で、美しいすがたをしています。このプラネタリウムでは、宇宙望遠鏡がとらえた、驚くような星の世界を紹介します。

わし星雲
(C)NASA,ESA,STScI,J.Hester and P.Scowen(Arizona State University)

左の写真を見て下さい。まるで蛇のように伸びた写真の天体、これはわし星雲と呼ばれています。へび座の方向、地球から6500光年離れたところにある、冷たい水素のガスとちりからできた雲です。この雲の柱は4光年もの長さがあり、光をさえぎるために黒い色をしています。このような雲のことを、暗黒星雲といいます。

この写真はハッブル宇宙望遠鏡と呼ばれる、宇宙に浮かぶ望遠鏡が撮影したものです。宇宙望遠鏡により、驚くほど細かい部分まで鮮明に見ることができるようになりました。雲の先端を拡大すると、さらにひげのように細い雲が伸びています。実はその細い雲の中には、生まれたばかりの星が隠されています。私たちは、まさに星が生まれる現場を目撃することができるのです。

ハッブル宇宙望遠鏡とは?
ハッブル宇宙望遠鏡 (C)STScI and NASA

1990年、スペースシャトル・ディスカバリー号が打ち上げられました。このスペースシャトルに搭載されていたのがハッブル宇宙望遠鏡です。この宇宙望遠鏡は全長13メートルと、4階建ての建物ぐらいもの高さがあります。星をとらえる鏡の大きさは直径2.4メートルもある巨大な望遠鏡です。

ハッブル宇宙望遠鏡は、地球の周りを回りながら、太陽系の惑星から宇宙の果ての銀河まで、様々な天体を観測しています。打ち上げ以来22年、現在までに50万枚以上の写真を撮影しています。

どうして望遠鏡を宇宙に浮かべるのでしょうか?
それは、宇宙には空気がないからです。夜空の星は瞬いて見えますが、これは星からの光が空気によってゆらめくからです。地上の望遠鏡で星を観測すると、どうしても空気に邪魔されて、ぼやけた姿になってしまいます。
でも、もし宇宙に望遠鏡を置けば、星からの光が空気の揺らぎによって邪魔されず直接観測することができます。そのため、鮮明な星の姿を撮ることができるのです。

最初にご覧いただいたわし星雲がどれほど拡大した写真であるのか、プラネタリウムでは地上で見た星空から連続して拡大していき、ハッブル宇宙望遠鏡がいかにすごい望遠鏡であるかを紹介します。

死んでゆく星というのもあるのでしょうか?
イータ・カリーナ
(C)Jon Morse(University of Colorado),and NASA

生まれてくる星があれば、死んでゆく星もあります。写真はハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、イータ・カリーナという星で、間もなく死んでゆく星です。中心にある星がかつて何回か爆発を起こして、明るく輝いて見えたことがあります。その際に吹き飛ばされたガスが星の周りを取り囲んでいます。まるで砂時計のような不思議な姿をしています。
この星はまもなく最後の大爆発を起こして死んでしまうと考えられています。
しかし星は死んで終わりではありません。吹き飛ばされたガスは、やがてまた新しい星の材料になります。星はこのように誕生と死を繰り返しています。私たちはハッブル宇宙望遠鏡によって、星の一生というものを知ることができるのです。

最後にひとこと

江越学芸員

1990年の打ち上げ以来、ハッブル宇宙望遠鏡は人類が初めて見る星々の姿を私たちに届けてくれています。いったいどんな宇宙の姿が見えてきたのでしょうか。この番組では、ハッブル宇宙望遠鏡によって明らかになった美しい星の世界を紹介します。 江越 航のホームページ
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