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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第69回 サイエンスショー「マイナス200℃の世界」のご紹介

2013年7月7日

今回のスタッフだよりは、現在演示中のサイエンスショー「マイナス200℃の世界」の見どころについて大倉学芸員に話を聞きました。

サイエンスショー「マイナス200℃の世界」のご紹介


こんにちは。物理担当学芸員の大倉宏です。今回は、9月1日まで公開中のサイエンスショー「マイナス200℃」についてご紹介します。
私たちの身の回りの冷たいものにどんなものがあるでしょう?
氷、アイスクリーム、ドライアイス、冷蔵庫の中、いろいろありますが、それらよりずっと冷たいものがあります。それが液体窒素です。液体窒素の正体は窒素。空気の約8割が窒素です(残りは酸素。そして僅かな二酸化炭素やアルゴン)。
窒素は常温ではもちろん気体ですが、その窒素をマイナス200℃まで冷やすと液体になります。この液体窒素を使って、マイナス200℃の世界で起こる不思議な実験をご覧いただきます。

実験の主役、液体窒素


※容器から出すとゴボゴボと沸騰している。

液体窒素は、デュワー瓶※と呼ばれる魔法瓶のような容器に入れて保存されています。
容器から液体窒素を取り出すと、透明な液体が出て来ます。
この液体は、ゴボゴボと沸騰しています。そして、モクモクと白い煙が出て来ます。
いったい、この液体は本当に冷たいのでしょうか。それとも熱いのではないでしょうか?
※デュワー…ジェイムズ・デュワー。イギリスの化学者・物理学者。1892年、魔法瓶(デュワー瓶)を発明した。

※ヤカンに入れると、ヤカンは凍りついてしまう

笛吹きケトルに液体を移してみます。
フタをするとピーとケトルの笛が鳴りだします。
やっぱり熱いの??恐る恐るケトルを触ってみると、とても冷たい!しばらくするとケトルの底に霜が付き始めました。
液体窒素は、沸騰していますが、とても冷たいのです。
ものの沸騰する温度は、ものによってそれぞれ違います。
水が100℃で沸騰するので、沸騰は熱い現象だと思われがちですが、窒素はとても冷たい温度(正確には、マイナス196℃)で沸騰するのです。

※白い煙がたくさん出る。これは、空気中の水蒸気が冷やされ変化したもの。

モクモクとした白い煙の正体は、空気中の水蒸気が冷やされてできた湯気。
冷凍庫を開けたり、冬の寒い日に息をハーっと吹いたときにできるものと一緒です。
小さな水滴の集まり、しかもとても冷たいので氷晶もたくさん混じっていることでしょう。

液体窒素の中に花を入れてみよう!


液体窒素の中にカーネーションを入れてみましょう。
ゴボゴボト泡が出て再び沸騰がはじまります。
まるで天ぷらを揚げているようです。やがて沸騰が収まります。
カーネーションもマイナス200℃まで温度が下がったというサインです。
カーネーションを液体窒素から取り出して見ましょう。
そっと触るとカサカサと音がします。そして、ギュッと握りしめると…。結果は見てのお楽しみ。
カーネーションだけでなく、ゴムボール、風船、超伝導体などいろんなものを液体窒素で冷やします。
それらは、私たちが日常暮らしている温度のときとは、全く違った振る舞いを見せてくれます。

最後にひとこと

大倉学芸員

窒素は空気の8割を占める気体です。 意識することはほとんどないですが、もっとも身近な存在といっていいでしょう。 その窒素は、うんと冷たくすると日常では見られない、おもしろい性質を示すことが分かります。 今回実験の最後に登場する超伝導体も常温ではただの瀬戸物と一緒です。しかし、マイナス200℃の世界では、ビックリするような性質を見せてくれます。低温の世界の技術はまだまだ研究が続いています。 このサイエンスショーでご紹介した超伝導体は、将来、リニア新幹線や電気の送電線に使われているかもしれません。 サイエンスショー「マイナス200℃の世界」の上演スケジュールはこちら ※9月1日(日)まで、大阪市北区天満1のまほうびん記念館さんのご協力をいただいて、魔法瓶のカットモデルとデュワー瓶をサイエンスショーコーナーの一角に並べて展示しています。魔法瓶のはじまりは、デュワーが低温実験用に作った特殊構造の瓶でした。
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