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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第135回 プラネタリウム「宇宙ヒストリア~138億年、原子の旅~」

2019年4月5日

今回のスタッフだよりは、プラネタリウム・リニューアル・オープン記念プログラム「宇宙ヒストリア~138億年、原子の旅~」の企画を担当した石坂学芸員に話を聞きました。


どんな内容ですか?

 旅に来た少女(声:宮下早紀さん)が、ひょんなことから時間をさかのぼって、宇宙138億年の歴史をたどる物語です。 少女を壮大な旅に案内するのは、酸素原子(声:河西健吾さん)です。
※画像をクリックすると、動画が見られます。

酸素原子、ですか?

 はい。少女が吸い込んだ空気の中に入っていた酸素原子が少女に突然、話しかけてきたのです。 私たちが1回の呼吸で吸い込む空気の中には、100億個のそのまた100億倍もの酸素原子が入っています。もちろん、本当の原子は話しかけてきたりしませんが、この物語では、たった一つ、人と話ができる酸素原子があって、少女と奇跡的な出会いをします(図1:少女と酸素原子の出会いのシーン)。 酸素原子は、長い宇宙の歴史のすべてを目撃していて、それを伝えられる誰かをずっと探していたのです。




宇宙の歴史のすべてを目撃したのですか?

 そうです。いま、ここ(地球)にある酸素原子たちは、46億年前には、太陽系の材料となった星雲の中にありました。太陽系の材料となった星雲は、さらにその前、太陽よりもずっと大きな星を構成するガスでした。その大きな星が爆発し、太陽系の材料となったのです(図2:超新星爆発のシーン)。 “主人公”の酸素原子は、その星の中で誕生した、という設定になっています。






星の中で酸素原子が誕生するのですか?

 太陽や、星座を形づくる星は自ら光り輝く「恒星」で、その中心部で起きている核融合が光のエネルギーを生み出しています。核融合というのは軽い元素から重い元素が生まれていくプロセスです。太陽のような”現役“の恒星は、水素が核融合しヘリウムを作っています。星が年を取ってくると(つまり、中心部の水素が無くなると)、ヘリウムから炭素、炭素から酸素、という具合に、だんだん重い元素が中心部にたまっていき、鉄ができると核融合反応が止まります。酸素原子は、こうした恒星の核融合の過程で誕生したのです。

酸素原子が生まれたのは、いつのことですか?

 太陽系ができる前、50億年前に生まれたものもありますし、観測的には、はるかむかし、135億年前の宇宙に、すでに酸素があった証拠が見つかっています。 その頃、宇宙で最初の星「ファーストスター」が光り輝いた、と考えられています(図3)。そのファーストスターの中で、最も古い酸素原子が生まれた、ということになります。







じゃあ、酸素原子は135億歳ってことですね。

 酸素としては、そうなりますが、実は、酸素の原子核を構成する8個の陽子と8個の中性子のうち、陽子は、この宇宙が誕生した1秒後には、もうあったんです。138億年前のことです。 酸素だけじゃなく、すべての元素の原子核には、同じように138億年前に誕生した陽子が含まれています。 私たちの体は、無数の、それこそ数えきれないほどの原子が集まってできていますから、私たちの体の中に宇宙138億年の歴史がある、ということになります。少女は、酸素原子が案内してくれた旅によって、そのことに気づくのです(図4)。





最後にひとこと

石坂千春学芸員

私たちは宇宙とつながっています。宇宙そのものからできている、と言ってもいいでしょう。
池田綾子さんが歌うテーマ曲も、とてもステキです。
このプログラムで、みなさん自身も、宇宙とつながっていることを感じていただけたら、と思います。もしかしたら、プラネタリウムの帰り道、みなさんの体の中の原子が話しかけてくるかもしれません…




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