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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第114回 「空を眺めると…~夏の雲はモクモク雲~」

2017年7月1日

今回のスタッフだよりは、4月から雲の写真を毎日撮っているという西岡学芸員に話を聞きました。

なぜ、毎日雲の写真を撮っているのですか?

 ひとことで「雲」と言っても、いろんな雲があります。ポコポコした雲、ベタっとした雲、高いところにある雲、低いところにある雲、薄い雲、分厚い雲、雨を降らす雲…。雲の形はどんどん変わりますし、天気の移り変わりや、季節によっても、よく見られる雲は違っています。雲は、発生している高さや形によって10種類(10種雲形)に分けられていていますが、10種類に分類できないような変わった雲もあります。
そこで、実際にはどんな雲が出ているのか、毎日同じくらいの時間帯に空を観察して、雲の写真を撮ってみることにしました。
 ただ、正しくは「毎日」ではなく、「科学館に出勤した日のほとんどの日」なので、中には撮影できていない日もありますが、撮影できる日は、だいたい12時~13時頃に撮影しています。ちなみに、4月、5月の空もようは、こんな感じです(写真①②)。これだけだとイマイチ違いがわかりませんが、1年を通してみると、季節ごとの変化などが見えてくるかな…?と思っています!

















これから夏によく見られる雲は?

 青い空に白い雲!!夏の空といえば、青い空にモクモクとした白い大きな入道雲をイメージされるのではないでしょうか?具体的には、夏は、積雲や積乱雲といった、鉛直方向にモクモクした雲がよく見られます。積雲は、よく高度2km付近までの比較的低いところにポコポコと浮かんでいます。雲底(雲の底)はほぼ平ら、上にモクモクしていて、カリフラワーや綿菓子のような形で浮かんでいますが、発達すると積乱雲になります(写真③④)。かわって積乱雲は、空の高いところまでモクモク発達した巨大な雲です。それ以上高く昇れない限界の高さまで発達すると、雲頂(雲のてっぺん)が水平に広がり「かなとこ(鍛造や板金作業など、金属加工をするときに使う作業台)」のようになります(写真⑤)。雲底は黒っぽい灰色をしていて2km付近より低いところにありますが、雲頂は白い色をしていて10km以上の高さにもなります。積乱雲が近づくと、急に激しい雨が降ったり、雷や雹(ひょう)、突風を伴うことがあるので注意が必要です。
    

(↑写真③④は、標高1900m付近で撮影)




なぜ、夏はモクモクした雲が多いのですか?

 まず、「雲ができるしくみ」です。簡単に言うと、空気には、水蒸気が含まれています。空気が冷えると、空気中の目に見えない水蒸気が、小さな水滴や氷の粒になって、目に見えるようになります。空に浮かんでいる雲は、この水滴や氷の粒の集まりです。そして、雲の発生や形には上昇気流が大きく影響しています。上昇気流は、水蒸気を含んだ空気を空の高いところに運びます。すると、空気は冷えて雲ができます。
 上昇気流が発生する原因はいくつかありますが、夏は、太陽の強い光によって地表が熱せられ、あちこちで強い上昇気流が起きやすくなります。そのため、鉛直方向にモクモク発達した雲ができやすくなる…というわけです。


地表が熱せられると上昇気流ができるのはなぜですか?

 地表が熱せられると、その地表付近の空気が暖められます。暖かい空気と冷たい空気では、暖かい空気の方が軽くなります。そのため、地表付近の暖まった空気は、周りの空気より軽くなって上昇します。上空との温度差が大きいほど、上昇気流は強くなります。
 ちなみに、この暖まった空気の力で飛んでいる乗り物が、熱気球です。熱気球は、バーナーの火で球皮(風船部分)の中にある空気を暖めます。すると、外の空気よりも球皮の中の空気が軽くなって、400kgほどある重い機体も持ち上げてしまうんです。着陸したいときは、球皮の上部から中の暖かい空気を抜いて、下降します。

  


積雲、積乱雲の他には、どんな種類の雲がありますか?

 10種雲形は大きく分けると、対流雲と層状雲に分けられます。夏によく見られる積雲と積乱雲は対流雲で、比較的狭い範囲で強い上昇気流があるときに発生しやすく、モクモクと鉛直方向に発達します。そして、層状雲には、巻雲、巻積雲、巻層雲、高積雲、高層雲、層積雲、層雲、乱層雲があり、これらは、比較的安定した大気の層が、広い範囲にわたって上昇する場合に発生しやすく、水平方向に広がっています。
 夏は、地上と上空で温度差が大きくなり対流が起こりやすく、強い上昇気流が生じて対流雲が発生しやすくなります。それに比べ、春や秋は比較的大気が安定しており、層状雲が多くなります。冬は、日本海上で積雲や積乱雲が発生し、その雲が発達して日本海側に大雪をもたらします。
(それぞれの雲については、『月刊うちゅう 2016年10月号』をご覧ください☆
            →http://www.sci-museum.jp/uploads/publication//86_pdf.pdf
 ちなみに、巻層雲は高度5km付近より高いところにあり、氷の粒でできています。この巻層雲が出ているときは、「かさ」や「環水平アーク」などの現象が見られることがあり、私が写真を撮り始めてから、科学館でも見られました!また、低いところに発生する層雲により、科学館近くのビル上部が雲の中に入ったことも…。

  



最後にひとこと

西岡里織学芸員

雲は、上空の空の様子を教えてくれます。どのような風が吹いているかによっても雲の形や動きは変わるので、雲を見ると、風の強さや方向がなんとなくわかります。また空気の湿り具合や、天気変化も教えてくれます。そして、雲や天気には、科学がたくさん詰まっています。ですが、難しく考えなくても、刻々と変わっていく雲を眺めていると、「くじら」とか「ソフトクリーム」とか、様々な形の雲に出会えたりします。なので時々ゆっくり空を眺めていただいて、お気に入りの雲を見つけてみて下さい。そして、もし、お天気や科学に興味を持っていただけたら嬉しいな…って思います。

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