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スタッフだより

科学館で働くスタッフを紹介します

科学館ってどんなところ? どんな人たちが働いているの? などなど、いろいろな角度から大阪市立科学館をご紹介します。

第148回 プラネタリウム「天王星発見240年」

2021年5月1日

今回のスタッフだよりは、プラネタリウム「天王星発見240年」の企画を担当した江越学芸員に話を聞きました。


天王星はいつ、どのようにして発見されたのでしょうか。

 天王星は1781年3月13日、ウイリアム・ハーシェルによって発見されました。今年はハーシェルが天王星を発見してちょうど240年目にあたります。
 まだアマチュアの天文家だったハーシェルは、イギリス・バースの地で妹のカロラインとともに、手製の反射望遠鏡で星を観測していました。すると、おうし座の辺りに、彗星のような円盤状に見える見慣れない星があるのを見つけました。その星の動きから軌道の計算をすると、なんと土星の外側を円軌道で周る星であることが分かったのです。新しい惑星・天王星の発見でした。
 古代からハーシェルの時代まで、惑星は水星・金星・火星・木星・土星の5つしか知られていませんでした。天王星の発見は、太陽系の端は土星だという常識を打ち破る大発見だったのです。天王星の発見が契機となり、その後1846年には海王星、1930年には冥王星の発見がなされ、現在私たちが知っている太陽系の姿が形作られました。


天王星はどんな星なのでしょうか。

 天王星は地球に比べ、太陽から20倍も遠いところを周っている天体です。そのため望遠鏡でも小さな青い点にしか見えず、発見後200年もの間、多くが謎に包まれたままでした。それでも地道な観測で、大きさは地球の4倍ほどで、重さは地球の14.5倍程度の星であることが分かりました。これから密度が推定でき、主に氷でできた巨大な氷惑星であると考えられています。

 さらに、天王星は自転軸が98度も傾いています。そのため、ほぼ横倒しの状態で太陽の周りを周っています。すると北極や南極のあたりでは、一日中太陽の光が当たっているか、全く太陽の光が当たらないことになってしまいます。つまり天王星は、84年の公転周期のうち、半分の42年間昼間が続き、残りの42年間夜が続くという、不思議な星なのです。


 
天王星の自転軸

 1977年に、天王星が背後の星を隠す、掩蔽という天文現象が起こりました。この現象を利用すると、天王星の大きさや大気組成を知る手掛かりになります。そこでアメリカ航空宇宙局(NASA)は、カイパー空中天文台という望遠鏡を積んだ飛行機で天王星の掩蔽の観測を行いました。すると奇妙なことに、背後の星が天王星に隠される前と後にも、星の光の減光が観測されました。このことから、天王星の周りには左右対称に星の光を隠すものがある、つまり天王星に環があることが発見されたのです。
 こうして、天王星の姿は地上からの観測で少しずつ明らかになってきましたが、まだまだ多くが謎に包まれたままでした。

天王星の環の発見


探査機による観測ではどんなことが分かったのでしょうか。

 1986年1月24日、NASAが打ち上げたボイジャー2号が、天王星に最接近しました。
 1977年に打ち上げられたボイジャー探査機は、遠く太陽系の惑星たちを次々に探査し、私たちに驚くような映像を届けてくれました。そして打ち上げから8年以上たった1986年、ついに天王星に到達し、至近距離で撮影した写真を私たちに届けてくれたのです。
 間近から見た天王星は、雲一つない水色の星でした。また、天王星の周りを取り囲む環の様子や、天王星の衛星の写真も地球に送り届けられました。
 ボイジャーの接近探査により、天王星本体や大気、内部構造、周辺磁場など、多くの情報が地球にもたらされ、地上の観測では分からなかった天王星の詳細な姿が、一気に明らかになったのです。



最後にひとこと

江越 航 学芸員

今回のプラネタリウム番組は、当館で天王星を本格的に取り上げる初めての番組です。天王星発見当時の様子、天文学者が天王星の姿を少しずつ解き明かしてきた過程を紹介しています。
また、新発見は単に偶然だけでなく、歴史や文化、その土地の雰囲気などにも影響されると考えられます。そうしたことから、今回の天王星のプラネタリウム番組では、現地で撮影した写真を交え、実際に発見した土地の様子も紹介しています。


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