第54回 そらみたことか-気象光学現象について-
2012年4月17日
雨上がりにきれいな虹を見つけるとなんだか楽しい気持ちになりますね。でも虹のようで虹でない現象もいろいろとあるんだそうです。今回は、光学現象について担当の長谷川学芸員に話を聞きました。虹を見るコツを教えてください

みなさんもきっと虹を見たことはあると思います。太陽と反対側の空に、大きな半円形の虹が見えると、なんかちょっと得した気分になりますね。虹は雨上がりに見えるとよく言います。確かに雨がやんだ後、急に晴れてきたときに見えることもあるのですが、雨が降っているのに太陽が見える、「お天気雨」とか「狐の嫁入り」と呼ばれる状態の時にも見えることが多いのです。こんなことをちょっと知っていると、虹を見るチャンスも増えるかもしれません。
虹のような現象について教えてください

あまり知られていませんが、太陽のずっと上の方に虹が逆さまになったように見える「環天頂(かんてんちょう)アーク」、太陽の横に虹のかけらのようなものが見える「幻日(げんじつ)」、太陽や月のまわりに大きな輪が見える「暈(かさ)」、雲に色がついたように見える「彩雲(さいうん)」などなど。こういった現象を、まとめて気象光学現象と呼んでいます。なかには虹よりもずっときれいに見えるものもあります。
展示場4階で主な光学現象について写真展もおこなっています。(2012年4月14日~5月27日予定)



さらに詳しく知りたいときは?

そこで、この「そらみたことか」をミニブックにまとめました。主な気象光学現象について、どんなときにどこにどんなものが現われるのか、またどうしてそんな現象が見えるのかを、写真と図で解説しています。ぜひこの本を片手に、今まで見たことのない現象に出会っていただければと思います。
虹は7色ですよね?

では、白い色の光を虹色に分けると、必ず虹の7色になるかというと、そうとは限りません。光を虹色に分けることを「分光(ぶんこう)」、分光でできた虹色の光の帯を「スペクトル」といいます。電球の光を分光すると、太陽の光と同じようなスペクトルになりますが、蛍光灯の光を分光すると、いくつかの色が飛び飛びになったスペクトルになります。
展示場3階で行なっているサイエンスショー「虹のひみつ」(2012年3月1日~5月27日)では、回折格子というシートを使って、さまざまな光を分光してご覧いただいています。このように光を分光することは、単にきれいなだけではなく、何が光を出しているのか、どんな状態なのかなど、さまざまなことがわかってくるのです。
最後にひとこと

長谷川学芸員