第46回 花火の化学展
2011年7月10日
6月18日から、展示場3階では、世界化学年を記念した2つ目の特別展示「花火の化学展」が始まりました。珍しい花火や、花火に使われている薬品など、さまざまな実物資料で、花火と化学の深い関係をご紹介しています。今回は、岳川学芸員に「花火の化学展」について聞きました。
はなしは、かがくdeムチャミタス「モコモコ選手権」にさかのぼる…


その収録でご一緒した花火師の古賀さん。控え室の前で「私も花火をテーマにしたサイエンスショーを企画して実験していたりもするので、また何か教えてください」などとお話しして、そのときはお別れしました。
冬になって「何か一緒にイベントしませんか」というお誘いをいただき、「ならば世界化学年にちなんで花火の化学をテーマにした企画展示をやりましょう!」「花火は化学ということをたくさんの方に知っていただきましょう!」とお答えして、今回のコラボレーション「花火の化学展」が実現しました。
企画展のみどころは?
花火と化学の深い関係は、これまで科学館のサイエンスショー「花火の大実験」でご紹介してきたので、ご存知の方も少なくないかもしれません。でも本物の資料でご紹介するのは、科学館では初めて。

まずは、花火に使われるいろいろな薬品をご覧ください。花火作りで最初に行なわれる、もっとも大切な作業は、これらの薬品を決まった量づつはかり、混ぜ合わせること。燃やす薬品、色をつける薬品、これらの薬品をくっつける薬品…など、いろいろな役割に合った薬品を選び、混ぜていきます。
次に「星(ほし)」を作ります。「星」というと、夜空に輝く“星”を思い浮かべますが、花火の世界にも「星」があって、調合した薬品を丸くかためたものを言います。直径1ミリ程度の小さな星から、直径1センチを超える大きなものまで、花火のサイズによって星のサイズも変わります。直径30cmの打上花火(10号玉)には直径2cmの星が、家庭で楽しむおもちゃ花火の打上花火には、直径3ミリ程度の小さな「星」が使われます。「花火の化学展」では、花火師の古賀さんが分解した家庭用の打上花火を展示しています。それはまさに打上花火のミニサイズ。小さくなっただけでしくみは同じなのです。
このほかにも「花火の化学」「打上花火」「おもちゃ花火」のテーマで展開するひとつひとつの資料をご覧いただくと、身近な花火に新しい発見がきっとあると思います
最後にひとこと

岳川学芸員