第113回 プラネタリウム「木星と土星を見よう」
2017年6月2日
今回のスタッフだよりは、プラネタリウム「木星と土星を見よう」の企画・制作を担当した飯山学芸員に話を聞きました。木星と土星について教えてください。

今の時期は、夕方太陽が沈んだ後の夜空に、木星が真っ先に見えてきます。木星は他の星に比べて、群を抜いて明るいのですぐに分かると思います。土星も、木星ほどではありませんが割と目立つ明るさで、南東の空に見えています。
木星と土星を望遠鏡で見てみると?
木星も土星も、望遠鏡で見たときに楽しい星です。木星には縞模様があり、大赤班と呼ばれる赤い模様も見えるかもしれません。「見えるかもしれません」というのは、大赤班は、木星に一つしかないので、木星の自転の加減で、地球と反対側に向いているときに望遠鏡を向けてしまったら、その時には見えないのです。縞模様は、木星をぐるっと一周している模様ですから、木星の向きに関係なくいつでも見えます。

土星は、望遠鏡では環が見えます。土星の環の中には「カッシーニの隙間」と呼ばれる黒い筋のような模様があって、気流が穏やかな時に観察すると、小型の望遠鏡でも観察することができます。ちなみに、カッシーニというのは土星の観測で有名な天文学者の名前で、彼がこの黒い筋のような模様を発見したので、「カッシーニの隙間」という名前になっています。また、アメリカが打ち上げた土星探査機「カッシーニ」も彼の名前を元に命名されたものです。

木星の縞模様や大赤班は、いったい何の模様ですか?

木星に接近した探査機が撮影した画像では、木星の風に吹かれて、複雑な模様を見せる木星の雲の様子を見て取ることができます。
土星の環はどうなっているのですか?

また、土星の環は、小型の望遠鏡で見える分だけでも幅が5~6万kmもあるのですが、厚さは非常に薄く、30mほどしかないと考えられています。
最後にひとこと

飯山青海学芸員
飯山青海のホームページ