第139回 サイエンスショー「電池がわかる」
2019年10月14日
今回のスタッフだよりは、サイエンスショー「電池がわかる」の企画・制作を担当した小野学芸員に話を聞きました。【電池でノーベル賞】

パワーがあって、充電を繰り返し何度も使えるという、今この世になくてはならないものを発明されたわけです。現在の文明を支えているといっても過言ではありません。
吉野先生は何年も前から、受賞候補としての名前があがっておりましたが、まさに当館のサイエンスショー「電池がわかる」を行っている時期にドンピシャで受賞を発表するとは。ノーベル財団も憎い演出をするものです!
…という、失礼な文章を書いてしまうほど、今年のノーベル賞に私も興奮しています。
【電池がわかる】

この記事を読んでいる方に先にお伝えしますが、電池が発明されたのは1800年のことでした。イタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタが発明したのです。イタリアがまだお金の単位で「リラ」を採用していた時の1万リラの肖像画がボルタであり(図2)、ボルタの作った電池もお札の真ん中に描かれています。とても有名、そして偉人であったということがわかりますね。
「電池発明のきっかけはカエル」

ボルタの電池発明の大きなきっかけは、当時の解剖学者兼物理学者のルイジ・ガルバーニが発見した「動物電気」がきっかけでした。解剖したカエルの足がメスで触れると震えるということから動物の体には電気がある「動物電気」を発表したことが電池の発明へとつながっていきます(図3)。
実際には、動物電気は考えとしては間違っていたのですが、電気を起こす仕組みが整っていたのです。ボルタが注意深くその動物電気の仕組みを調べていくと、それは、「金属」と「電解質(水溶液)」の存在であるという結論に到達したのです。当時電解質という呼び方をしていたのかわかりませんが、動物の体の中の水分と塩(えん)によって電解質水溶液が存在し、解剖する時のメスと台座が異なる金属を使用していたことが起電力を発生させる原因になっていることを突き止めたのです。
このように文字で書くと何か堅苦しいですが、実際の実験はとてもシンプル。
サイエンスショーでは、銅と亜鉛、そして塩水を含ませたスポンジで電池ができるということを、ご覧いただいている皆さんの前でご紹介しています。
これを応用すると何と私たちも電池に。。。。。という驚きの実験もあります。
実際には、動物電気は考えとしては間違っていたのですが、電気を起こす仕組みが整っていたのです。ボルタが注意深くその動物電気の仕組みを調べていくと、それは、「金属」と「電解質(水溶液)」の存在であるという結論に到達したのです。当時電解質という呼び方をしていたのかわかりませんが、動物の体の中の水分と塩(えん)によって電解質水溶液が存在し、解剖する時のメスと台座が異なる金属を使用していたことが起電力を発生させる原因になっていることを突き止めたのです。
このように文字で書くと何か堅苦しいですが、実際の実験はとてもシンプル。
サイエンスショーでは、銅と亜鉛、そして塩水を含ませたスポンジで電池ができるということを、ご覧いただいている皆さんの前でご紹介しています。
これを応用すると何と私たちも電池に。。。。。という驚きの実験もあります。

そして電池の発明は、静電気ではなしえなかった「電流」を取り出せるようになりました。そしてここから、直流、交流、磁石との関係といった電磁気の発展も始まり、コンセントに届く電気も作り出せるようになりました。
最後にひとこと

小野昌弘学芸員
今回のショーを見ていただけたら、電池の仕組みはばっちりです。
今回リチウムイオン電池の開発で吉野彰先生がノーベル賞を受賞しましたが、私たちがリチウムイオン電池を使う前からよく使っているある電池の発明には、やはり日本人が関わっているのです。それは…。
サイエンスショーで、その人物の功績にも触れますので、ぜひご覧ください。