スタッフだより

第150回 ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」

2021年8月27日

今回のスタッフだよりは、ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」の企画・制作に携わった西野学芸員、上羽学芸員に話を聞きました。

特別展「ノーベル賞受賞100年記念 アインシュタイン展」はどのような展覧会ですか?

アインシュタインは、20世紀最大の物理学者とも言われる天才です。彼が、科学でもっとも権威ある賞であるノーベル賞を受賞してから、今年でちょうど100年になります。今回の特別展はそれを記念して企画・制作したもので、7月17日から10月10日まで、大阪市立自然史博物館で開催しています(主催:大阪市立科学館、大阪市立自然史博物館、読売新聞社、関西テレビ放送)。

この特別展では、アインシュタインの生涯と人物像、世界を驚かせる業績の数々、そしてアインシュタイン以後に進んだ科学技術による最先端の研究成果について、体を動かしながら遊べる展示や、ヘブライ大学をはじめとする多くの施設からお借りしたたくさんの貴重資料で、楽しくご紹介しています。

見どころはどこですか?ノーベル賞とアインシュタインの関係とは?

アインシュタインが解明した4つの代表的な科学理論「ブラウン運動の理論」「光電効果」「特殊相対性理論」「一般相対性理論」について、体を動かしながら楽しく体感できる展示があります。

なお、アインシュタインのノーベル賞受賞理由は、「光電効果についての理論」です。

「光電効果」とは、金属に光が当たると、金属から電子が飛び出す、という現象です。赤い光ではどんなに強い光でも電子は出てこず、一方で青い光では弱い光でも電子が出てくる、という性質が、それまでの物理学の常識ではまったく説明できないものでした。アインシュタインは、この難問に答えを出しました。それは、光は波の性質だけでなく、粒としての性質も持ち合わせている、というものです。これが、「量子力学」とよばれる20世紀の物理学の始まりをもたらすものになったのです。量子力学とは、電子や光などのミクロな世界での運動の性質を理解するための物理学です。

「光電効果」の体験展示「光の粒で電子を飛ばそう!」は、「光電効果」がどのような現象なのかをゲームを通じて楽しみながら学んでいただけるものになっています!

ほかにも、アインシュタインの人生や人物像、そしてアインシュタインの予言できなかった最先端の研究成果を、貴重な資料でご紹介しています。ぜひこの夏は、「アインシュタイン展」でアインシュタインと科学の魅力を満喫してください!

また、月刊うちゅう7月号でも、アインシュタインにまつわる記事を掲載していますので、ぜひ、ご覧ください。

最後にひとこと

大阪市立科学館では、8月22日まで企画展「もっと知りたい!アインシュタイン」を開催していました。そのガイドブックでもあるミニブック「アインシュタインと大正時代の日本」では、アインシュタインが来日した大正時代の日本、特に大阪のようすや、「相対性理論」に対する人々の熱狂ぶりなどを当時の資料でたどっています。当館の公式ネットショップにて、販売中です(税込 100円)。ぜひ、ミニブックをご覧になって、アインシュタインがやってきた大正時代の日本にタイムスリップしてください。

上羽貴大のホームページ


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