スタッフだより

第61回 展示場3階「色の化学」

2012年11月3日

今回のスタッフだよりは、今年から3階展示場に設置した『色の化学』コーナーの見どころについて岳川学芸員に話を聞きました。

―――「色」と「化学」ってなんだか不思議な組み合わせですね。

こんにちは。化学担当学芸員の岳川有紀子です。今回は、私が企画・制作を担当した「色の化学」というミニコーナーについてご紹介します。  毎日の服のコーディネイトや、お弁当の彩り、部屋にかざる絵・・・など、暮らしの中には「色」があふれていますね。この「色」、化学ととっても深い関係があるんです。このことを、たくさんの方に知っていただきたいと思い、「色の化学」をテーマにした展示を企画しました。

―――きれいな色がたくさんありますね!

「色」が楽しいのは、カラフルだから! ということで、まずは色のもととなる、「染料」と「顔料」を100色くらい集めました。このカラフルな色を見ているだけで、個人的にはとってもワクワクしてきます。この100種類がこの世の中のすべての色ではありません。これらを混ぜたりすることで、どんどん新しい色が作り出されています。すごいですよね!
これらの色は、たとえばみなさんの身の回りの筆記用具に使われます。クレヨンや絵の具、カラーペンなどのいろいろな色も、顔料・顔料のバリエーションのおかげです。現在は、これらの色は化学薬品を使って人工的に作られています。化学っぽい雰囲気を出すために、試験管や薬さじを使ってディスプレイしてみました。いかがでしょうか?

―――色ってどんなものから作られているのでしょう?
人間が、化学薬品を使って実験室で色を作れるようになったのは、わずか150年ほど前からです。それまでは、植物や鉱物などの自然のものから色を取り出して利用していました。
―――日本独自の色があるんですね
昔の日本人の、色に関する豊かな感性に感激して作った「日本の伝統色(465色)」のパネルもぜひ見てみていただきたいです。桔梗色(ききょういろ)、烏羽色(からすばいろ)など自然のものから連想できる色だけでなく、納戸色(なんどいろ)、今様色(いまよういろ)、など、名前だけではどんな色かサッパリ想像ができないようなものもあります。現在は、「黒」とひとことで片付けてしまいそうな色も、ほんの少しずつ違う10くらいの色と名前があるんですよ。昔から人間が、色と深く付き合ってきたことがよくわかりますね。

日本の伝統色

「色の化学」展示コーナー

最後にひとこと


岳川学芸員

小さなコーナーですが、「色」というテーマを、時間の流れを感じながら、自然(天然)と化学(人工)をくらべて見ていただけたらと思っています。どうぞじっくり、お喋りしながら見学してください。 資料協力 サクラクレパス株式会社(大阪市中央区) ※この展示はテスト展示のため、内容を変更したり、公開を中止することがあります。ご了承ください


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